賃貸でも電力会社は変えられる?できる・できないケースと自分での確認法

本記事の情報は2026年8月時点のものです。電気料金やプラン内容・手続き方法は改定される場合があります。最新情報は各電力会社・小売電気事業者の公式サイトでご確認ください。

「賃貸だから電力会社は選べないのでは?」と思っていませんか。
結論からいうと、賃貸でも、自分の名義で電気を契約していれば原則として電力会社は変えられます
ただし、建物全体でまとめて契約しているマンションなど、一部には切り替えられないケースもあります。

この記事では、あなたの物件が「変えられる側」か「変えられない側」かを自分で見分ける手順と、まぎらわしい「高圧一括受電」と「大家さんの会社指定」の違い、そして退去時の手続きまでを、公式情報をもとに整理します。

📋 この記事でわかること
  • 賃貸でも電力会社を変えられる理由(電力自由化)
  • 「変えられる/変えられない」を自分で見分ける判定手順
  • まぎらわしい「高圧一括受電」と「大家さんの会社指定」の違い
  • 切り替えの流れ・工事や停電・費用はどうなるか
  • 退去(引っ越し)するときの電気の止め方

賃貸でも電力会社は原則として変えられる

2016年4月の電力の小売全面自由化により、家庭も含めたすべての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選べるようになりました。
これは持ち家か賃貸かを問いません。

資源エネルギー庁も「2016年(平成28年)4月1日以降は、電気の小売業への参入が全面自由化され、家庭や商店も含む全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました」と説明しています(出典:資源エネルギー庁公式サイト)。

賃貸で判断の分かれ目になるのが「契約名義が自分になっているか」です。
資源エネルギー庁は「賃貸住宅に住んでいますが、電力会社の切り替えはできますか?」という質問に対し、「現在契約している電力会社との契約名義がご本人の場合は可能です。他人名義のご契約になっている場合は、その方に確認いただくことになります」と回答しています(出典:資源エネルギー庁公式サイト)。

つまり、自分名義で毎月の電気代を電力会社に払っているなら、賃貸でも切り替えられるのが原則です。

自分の物件は変えられる?3つの質問で判定

あなたの部屋が切り替えできるかどうかは、次の3つを順番に確認すればおおむね判断できます。
上から順に見ていきましょう。

質問1:電気代を自分で電力会社に払っている?

毎月「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」が自分名義で届く、または電力会社の会員サイト・アプリで自分の使用量と請求を確認できるなら、自分名義の個別契約です。
この場合は切り替えの候補になります。
一方、電気代が家賃や管理費・共益費にまとめて含まれていて、電力会社に自分で払っていない場合は、契約名義が自分ではない可能性があります。
その場合はまず管理会社・大家さんに、電気の契約が自分名義かどうかを確認しましょう。

質問2:建物全体で一括契約していない?

マンションによっては、建物全体でまとめて電気を購入する契約(高圧一括受電など)を結んでいることがあります。
この場合は、各戸が個別に電力会社を選べないことがあります
資源エネルギー庁は「管理組合などを通じてマンション全体で一括して電気の購入契約を締結している場合には、その契約やマンション内の規約などで制限される場合があるので、管理組合等にご確認下さい」としています(出典:資源エネルギー庁公式サイト)。
入居時の案内やマンションの規約に「一括受電」「電気は建物一括契約」といった記載があれば、管理組合・管理会社に確認してください。

質問3:契約書に電力会社の指定はない?

一括受電ではなくても、賃貸借契約書や入居案内で特定の電力会社が指定されている(大家さん・管理会社の「会社指定」)ことがあります。
この場合、制度上は自分名義なら切り替えられても、契約上のトラブルを避けるため、事前に大家さん・管理会社へ相談するのが安全です。
ここまでの3つを確認して問題がなければ、賃貸でも通常どおり切り替えられます。
次の表で、判定の結果を整理しておきましょう。

あなたの状況 切り替えの可否と次の行動
検針票が自分名義で届く/電気代を自分で払っている 個別契約=原則切り替え可。そのまま比較・申込みへ
電気代が家賃・管理費に含まれている 名義が自分でない可能性。管理会社・大家に確認
建物全体で一括契約(高圧一括受電など) 個別に選べないことがある。管理組合等に確認
契約書に電力会社の指定がある 要相談。大家・管理会社に確認してから判断
賃貸の「切り替えできる/できない」判定の早見表。迷ったら管理会社・大家さんに確認を。

まぎらわしい「一括受電」と「会社指定」の違い

賃貸で切り替えできない理由として、よく混同されるのが「高圧一括受電」と「大家さんの会社指定」です。
この2つは意味が違い、対応も変わります。
下の表で切り分けておきましょう。

項目 高圧一括受電 大家さんの会社指定
仕組み 建物全体で一括して電気を購入する契約 個別契約だが特定の会社を案内・指定している
各戸で選べるか 個別に選べないことがある(契約・規約による) 制度上は名義が自分なら可(契約条項次第で要相談)
確認先 管理組合・管理会社 大家さん・管理会社
「一括受電」と「会社指定」は別物。いずれも個別事情によるため、確認先に相談を。

なお、マンションの高圧一括受電の導入をめぐっては、各戸の契約の扱いが争点になった経緯もあります。
「一括受電だから絶対に変えられない」「必ず個別に戻せる」と一律には決められません
建物ごと・契約ごとに事情が異なるため、必ず管理組合・管理会社に確認するのが確実です。

「うちの部屋が切り替えできるのか分からない」「引っ越しに合わせて電気の手続きも済ませたい」という方は、電気手続き受付センターにご相談ください。
賃貸の電気の切り替え・新生活の契約の手続きを、まとめてサポートします。

切り替えの流れ・工事や停電・費用はどうなる?

切り替えできると分かったら、あとは新しい電力会社に申し込むだけです。
賃貸で心配になりやすい「工事」「停電」「費用」について、公式情報を整理します。

  • 工事は原則不要:今ある送配電網をそのまま使うため、新たに電線を引く必要はありません。
  • 電気の品質は同じ:どの会社から電気を買っても、停電のしにくさなど電気そのものの品質は変わりません。
  • スマートメーター交換は原則無料:未設置の場合は交換されますが、原則費用はかかりません。

資源エネルギー庁も「今ある送配電網を使うので新たに電線を引くことにはなりません。また、電気そのものの品質や信頼性(停電の可能性など)は、どの会社から電気を買っても同じです」と説明しています(出典:資源エネルギー庁公式サイト)。

ただし、まだスマートメーターが設置されていない部屋では交換工事が必要で、その際に1軒あたり約15分の停電を伴う場合があります(交換費用は原則無料)。
切り替えにかかる標準的な期間は、交換工事が必要な場合はおよそ2週間、不要な場合はおよそ4日程度が目安です(出典:資源エネルギー庁公式サイト)。

申込みに必要なお客さま番号や供給地点特定番号は、検針票(電気ご使用量のお知らせ)で確認できます。
実際の申込み手順は、電力会社の切り替え手続きガイドで詳しく解説しています。

退去(引っ越し)するときの電気の止め方

賃貸を退去するときは、電気の使用停止(解約)の連絡が必要です。
連絡をしないと、退去後も基本料金などがかかり続けることがあります。
退去時は、電気保安の観点から、アンペアブレーカー・契約主開閉器または漏電ブレーカーを「切」にして退去するよう案内されています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。

解約(使用停止)の申込み手順や、旧居と新居の手続きのタイミングは、電気の解約・使用停止の手続きの記事にまとめています。
新居で新しく電気を使い始める手続きは、電気の使用開始手続きの記事をご覧ください。

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よくある質問

賃貸アパートでも電力会社を変えられますか?はい。電力自由化により、賃貸でも自分名義で電気を契約していれば原則として電力会社を変えられます。判断の分かれ目は「契約名義が自分か」です。検針票が自分名義で届く、電気代を自分で電力会社に払っているなら切り替えの候補になります。

大家さんや管理会社の許可は必要ですか?自分名義の個別契約なら、切り替えそのものに大家さんの許可は原則不要です。ただし、賃貸借契約書に電力会社の指定がある場合や、建物全体で一括契約している場合は事情が変わるため、事前に大家さん・管理会社・管理組合に確認すると安心です。

切り替えで工事や停電、費用はかかりますか?原則として新たな電線の工事は不要で、電気の品質も変わりません。スマートメーターが未設置の場合は交換されますが費用は原則かかりません。ただし交換時に1軒あたり約15分程度の停電を伴う場合があります。すでにスマートメーターが付いていれば停電なく切り替えられます。

電気代が家賃に含まれていますが、変えられますか?電気代が家賃・管理費に含まれている場合、契約名義が自分ではない可能性があります。この場合は各戸で個別に電力会社を選べないことがあるため、まず管理会社・大家さんに電気の契約形態を確認してください。

まとめ

賃貸でも、自分名義で電気を契約していれば原則として電力会社は変えられます
見分けの起点は、検針票が自分名義で届くか・電気代を自分で電力会社に払っているかです。
変えられないことがあるのは、建物全体で一括契約している場合(高圧一括受電など)や、電気代が家賃・管理費に含まれている場合で、いずれも管理組合・管理会社への確認が必要です。

まぎらわしい「一括受電」と「大家さんの会社指定」は別物で、対応も変わります。
切り替えは原則工事不要で電気の品質も同じ、スマートメーター交換も原則無料です。
退去するときは使用停止(解約)の連絡を忘れずに行いましょう。

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