建物を解体するときの電気の解約と撤去|引込線・メーターの申込先と期限をエリア別に比較

「家を建て替えるので古い家を解体する。電気は電力会社に解約の電話を入れておけば大丈夫?」と考えていませんか。
じつは、解約で止まるのは電気の契約だけです。
電柱から家に引き込んでいる電線(引込線)と電気メーターは、別に撤去を申し込まないと建物に残ったままになります。
この記事では、解約と撤去を誰に頼むのか、契約中か解約済みかで申込先がどう変わるのか、エリアごとの撤去窓口と申込時期の目安を、各社の公式情報をもとに整理します。
- 解約と撤去が別の手続きになる理由
- 契約中か解約済みかで変わる申込先
- エリア別の撤去窓口と申込時期の目安の比較表
- 期限が「誰に申し込むか」でずれる例
- 申込で伝えることと立会い、解体業者に頼める範囲
解約と撤去は別の手続き|設備の持ち主は送配電会社
電気の契約は、電気を売る会社(小売電気事業者)と結んでいます。
一方、電柱・引込線・メーターといった設備を持っているのは、各エリアの一般送配電事業者です。
東京電力パワーグリッドは、建物を解体するなど設備を今後使わない場合は、電気の引込線と電力メーターを撤去する必要があると案内しています(出典:東京電力パワーグリッド公式サイト)。
撤去を先に済ませる理由は安全です。
四国電力送配電は、電気設備が撤去されていない状態での解体工事は感電のおそれがあり大変危険なため、解体前に設備を撤去する必要があるとしています(出典:四国電力送配電公式サイト)。
重機で建物を壊す前に、電線とメーターを外しておく段取りが要るということです。
| 手続き | 止まるもの・外すもの | 設備・契約の持ち主 |
|---|---|---|
| 解約(使用停止) | 電気の契約と料金の発生 | 小売電気事業者(契約先の電力会社) |
| 撤去 | 引込線・電気メーター | 一般送配電事業者(各エリアの送配電会社) |
中部電力パワーグリッドは、自社は送配電事業者のため電気の契約に関する受付はしておらず、まず契約している小売電気事業者へ解約を申し込むよう案内しています(出典:中部電力パワーグリッド公式サイト)。
引越しのときの通常の解約の流れは、電気の解約・使用停止の手続きで詳しく解説しています。
契約中か解約済みかで申込先が変わる
「撤去は送配電会社の仕事なら、最初から送配電会社に電話すればいい」と思いがちです。
しかし確認できた東北・東京・北陸・関西・九州では、まだ電気の契約が残っているなら、撤去の希望も契約先の小売電気事業者に伝える流れになっています。
送配電会社へ直接申し込むのは、解約が済んでいる場合や、空き家で契約が無い場合です。
- 電気の契約が残っている → 契約先の小売電気事業者へ「解約」と「解体に伴う撤去の希望」をまとめて伝える
- すでに解約済み・空き家で契約が無い → そのエリアの一般送配電事業者へ撤去を申し込む
- 契約先が分からない → 先に契約先を調べてから連絡する
契約の有無で申込先を分けている会社では、この線引きが共通しています。
東北電力ネットワークは、契約がある場合は契約先の小売電気事業者へ、契約が廃止済みの場合は同社のネットワークコールセンターへ申し込むよう案内しています(出典:東北電力ネットワーク公式サイト)。
北陸電力送配電も、契約中なら小売電気事業者へ契約の廃止と引込線・メーター撤去の希望を連絡し、廃止済みならチャットまたは電話で直接同社へ連絡するよう求めています(出典:北陸電力送配電公式サイト)。
北海道電力ネットワークの撤去受付は、電気の契約廃止手続きが済んでいる場合に申し込める仕組みです(出典:北海道電力ネットワーク公式サイト)。
新電力と契約している場合も考え方は同じです。
東京電力エナジーパートナーの案内では、他社の小売電気事業者と契約中なら契約先へ、契約が無い空き家などは各エリアの一般送配電事業者へ問い合わせるよう整理されています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
検針票が手元に無く契約先が分からないときは、今の電力会社・料金プランの調べ方から確認できます。
しばらく空き家にしてから解体する場合、契約を残すか先に解約するかの判断は別荘・空き家の電気はどうする?で整理しています。
エリア別の撤去窓口と申込時期の目安
撤去の申込窓口と申込時期の目安を、公式の案内を確認できた9エリアで並べました(一部は小売電気事業者の案内です)。
各社の公式ページに書かれている内容だけを載せ、公式に日数や窓口の記載が見当たらない項目は「公式で確認」としています。
| エリア | 送配電事業者 | 撤去の申込窓口 | 申込時期の目安 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 北海道電力ネットワーク | 電話(自動音声)0120-580-275月〜金 9:00〜17:00(土日祝・年末年始・5月1日を除く) | 撤去完了まで10日間(事務手続き・作業準備を含む) |
| 東北 | 東北電力ネットワーク | 電話 0120-175-377月〜金 9時〜17時(祝日・年末年始を除く) | 建物解体日の2週間前まで(解約済みで直接申し込む場合は撤去日の2週間前まで) |
| 東京 | 東京電力パワーグリッド | Web受付または電話 0120-995-007(ダイヤル後「3」)月〜土 9時〜17時(休祝日を除く) | 一般住宅は遅くとも撤去希望日の1週間前まで(6か月以上かかる例あり) |
| 中部 | 中部電力パワーグリッド | チャット(オペレーターへ相談) | 公式で確認 |
| 北陸 | 北陸電力送配電 | チャットまたは電話 | 日数の記載なし(余裕をもって) |
| 関西 | 関西電力送配電 | 関西電力と契約中なら関西電力へ。契約がなければ送配電事業者へ | 関西電力と契約中なら解体日の2週間前まで |
| 中国 | 中国電力ネットワーク | 中国電力ネットワークへ連絡(窓口は公式で確認) | 解体日の2週間前まで |
| 四国 | 四国電力送配電 | 県別の窓口(香川・愛媛・徳島・高知) | 撤去希望日の1週間前まで |
| 九州 | 九州電力送配電 | 公式で確認(九州電力と契約中なら九州電力へ。電話・インターネットの案内あり) | 取り壊しの予定日が決まったら |
沖縄電力は、解体時の撤去に絞った案内ページを確認できなかったため表に入れていません。
沖縄電力のお問い合わせ先で窓口を確かめてください。
北海道は、申込の期限ではなく、撤去が終わるまでにかかる日数を示しています。
北海道電力ネットワークは、撤去工事を完了するまでに、事務手続きおよび作業準備を含めて10日間の期間を要するとしています(出典:北海道電力ネットワーク公式サイト)。
費用について公式の記載を確認できたのは東北だけです。
東北電力は、メーターや引込線等を取り外す作業は無料としています(出典:東北電力公式サイト)。
ただし別のFAQでは、作業費用は基本無料だが、使用期間や作業内容によって異なる場合があるとしています(出典:東北電力公式サイト)。
この表から分かるのは、同じ「撤去」でも、日数を明記している会社と書いていない会社があることです。
日数の記載が無いエリアこそ、解体日が決まった時点ですぐ連絡するのがいちばん確実です。

解体前の電気の解約と、建て替え後の住まいの電気の手続きを、まとめてサポートします。
送信後は担当者からお電話でご案内します
期限は「誰に申し込むか」でずれることがある
同じ東京エリアでも、申込先によって期限の書き方が違います。
東京電力エナジーパートナーと契約中なら、解体日の2週間前までに必ず電話で連絡し、使用停止と電気設備撤去の手続きをまとめて受け付けます。
解体の場合は、Webで使用停止の申込みをしても受付できないとされています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
受付電話は、自由料金プランが0120-995-113、規制料金プランが0120-995-001で、受付時間はどちらも月〜土の9:00〜17:00(休祝日を除く)です(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
一方、東京電力パワーグリッドは、一般住宅の引込線撤去を遅くとも撤去希望日の1週間前までとしています。
ただし同社は、場合によっては撤去工事の準備に6か月以上を要する事例もあるとしています(出典:東京電力パワーグリッド公式サイト)。
撤去工事期間に余裕がない急な申込みには対応しかねる、という注意書きもあります(出典:東京電力パワーグリッド公式サイト)。
四国電力送配電も、法令に基づく申請が必要な場合など、撤去工事の準備に数か月程度かかることがあるとしています(出典:四国電力送配電公式サイト)。
- 「1週間前」「2週間前」は最短の目安で、準備に数か月かかる例もある
- 解体日を基準にする会社と、撤去希望日を基準にする会社がある
- 契約中なら、小売への連絡から送配電への手配まで日数がかかる前提で動く
3つ目の点は、東北電力ネットワークの案内にも表れています。
同社は「建物解体日の2週間前まで」としたうえで、小売電気事業者から同社への申込みにかかる日数は考慮していないと注記しています(出典:東北電力ネットワーク公式サイト)。
北陸電力送配電も、原則として申込みのあった解体日までに撤去するものの、日にちに余裕がないと解体日までに撤去できない場合があるとしています(出典:北陸電力送配電公式サイト)。
解体業者と工事日を決めたら、その日のうちに電気の連絡を入れておくと安心です。
申込で伝えることと立会い
撤去の申込では、場所と設備を特定する情報を聞かれます。
各社の案内に書かれている項目を並べると、次のようになります。
| 会社 | 申込で伝える主な事項 |
|---|---|
| 東京電力パワーグリッド | 契約者名/住所/供給地点特定番号または電力メーター番号/撤去可能日と解体日 |
| 四国電力送配電 | 住所/入居者名(電気の契約者名)/供給地点特定番号または電力メーター番号/撤去希望日と解体日/連絡先 |
| 中国電力ネットワーク | 住所/以前住んでいた方の名前や表札の名前/解体日/供給地点特定番号や計器の番号(分かる場合) |
東京電力パワーグリッドは、契約者から申込みを委任されている場合はその旨を伝えるよう求めています(出典:東京電力パワーグリッド公式サイト)。
どの会社でも役立つのが、供給地点特定番号かメーター番号です。
供給地点特定番号は、電気の供給地点(契約場所)を特定するために全国一律で付番される22桁の識別番号です(出典:東京電力パワーグリッド公式サイト)。
調べ方は供給地点特定番号とは?にまとめています。
解約の前に検針票やWebの会員ページで控えておくと、撤去の申込でも慌てずに済みます。
立会いの要否は会社と現場の状況で変わります。
東京電力パワーグリッドのWeb受付では、出向の手配時に立会いが必要かを判断し、電気メーター番号や現地の画像を提供すると立会いが不要になるケースがあるとしています(出典:東京電力パワーグリッド公式サイト)。
北陸電力送配電は、現地にアンペアブレーカーがある場合は屋内工事(ブレーカー撤去)が発生するため、原則として立会いが必要としています(出典:北陸電力送配電公式サイト)。
東京電力エナジーパートナーの案内でも、撤去する電気設備として引き込み線・メーター・アンペアブレーカーが挙げられています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
メーターの種類や通信のしくみについてはスマートメーターとは?もあわせてご覧ください。
解体業者に頼める範囲と施主がやること
解体業者が撤去の手配を代わりに進めてくれることもあります。
ただし、公式の案内を読むと、建物の持ち主の承諾が前提になっている点に注意が必要です。
北海道電力ネットワークは、解体会社や管理会社などが申し込む場合、建物所有者から撤去の承諾を得ていることを条件にしています(出典:北海道電力ネットワーク公式サイト)。
東京電力パワーグリッドのWeb受付も、低圧のメーター付きの契約で、建物の所有者・不動産・管理者等から撤去の同意を得ていることが利用条件です。
撤去の立会日は申込日から数えて8日以上60日以下の範囲で入力し、東京都の島しょ部は対象外で電話受付となります(出典:東京電力パワーグリッド公式サイト)。
一方、契約の解約そのものは契約者からの連絡が基本です。
東京電力パワーグリッドも北海道電力ネットワークも、解約が済んでいないときは契約者から小売電気事業者へ連絡するよう案内しています(出典:東京電力パワーグリッド公式サイト、北海道電力ネットワーク公式サイト)。
解体業者に任せる場合でも、誰が・いつ・どこへ連絡したかを施主側で把握しておきましょう。
契約者が亡くなっている実家を解体するときは、電気の契約者が亡くなったときの相続と精算も確認しておくと手続きの順番を誤りません。
解体前の電気の段取り
ここまでの内容を、施主が動く順番にまとめます。
電気の撤去は解体日から逆算して申し込むため、まず工事の日程を固めます。
検針票やWebの会員ページで、契約先の小売電気事業者と供給地点特定番号(またはメーター番号)を控えます。
解体に伴う撤去であることをはっきり伝えます。解約済み・空き家なら、そのエリアの送配電会社へ直接申し込みます。
立会いが必要かどうかは会社と現場の状況で決まります。連絡があれば日程を合わせます。
解約後に届く最終の請求と支払い方法を確認して、電気の手続きは完了です。
最終の請求がいつ・どう届くかは、電気の解約後の最終請求・精算・返金のしくみで解説しています。
建物の解体とあわせて読みたい記事
- 電気の解約・使用停止の手続き(電話とネットでの止め方)
- 別荘・空き家の電気はどうする?(契約を残すか解約するかの判断)
- 供給地点特定番号とは?(22桁の番号の調べ方)
- 電気の契約者が亡くなったときの相続と精算(実家を解体するとき)
- 電気の解約後の最終請求・精算・返金のしくみ(解約後の支払い)
よくある質問
まとめ
建物を解体するときの電気は、小売電気事業者への解約と、一般送配電事業者による引込線・メーターの撤去の2つで完了します。
契約が残っているうちは小売電気事業者に解約と撤去の希望をまとめて伝え、解約済みや空き家なら送配電会社へ直接申し込む、という線引きは、確認できた東北・東京・北陸・関西・九州で共通しています。
違いが大きいのは申込時期の目安です。
解体日の2週間前とする会社、撤去希望日の1週間前とする会社、日数を示していない会社があり、準備に数か月かかる例もあります。
解体業者と工事日を決めたら、供給地点特定番号を控えて、その日のうちに電気の連絡を入れておくと工事日に間に合わせやすくなります。
解体前の電気の手続きで迷ったら
「解約と撤去をどこに頼めばいいか分からない」「解体日まで時間がない」という方は、電気手続き受付センターにご相談ください。
電気の解約から、建て替え後の新しい住まいの電気の手続きまで、まとめてサポートします。
選んだエリアのページでは、ページを移動せずにそのままご相談いただけます。静岡県は富士川の西が中部電力、東が東京電力のエリアです(色の左右で選べます)。