中古住宅や建売を買ったら電気は名義変更か使用開始か|名義変更で請求中の支払いまで引き継ぐ会社も

「中古の一戸建てを買った。前の持ち主が使っていた電気は、名義だけ変えればそのまま使えるの?」
じつは、名義変更をすると請求中の支払いまで引き継ぐ会社があります。
一方で、旧名義人と新名義人で支払いを分けるなら、停止と開始の手続きが必要と案内している会社もあります。
この記事では、建売住宅・中古戸建て・中古マンションを買って入居するときに、電気をどの手続きで自分の契約にするのかを、各社の公式情報をもとに整理します。
- 名義変更と使用開始の違い(名義変更で何を引き継ぐか)
- 建売・中古戸建て・中古マンション別の手続きの早見表
- 売主が住んでいた家・空き家だった家の段取り
- 購入前に確認しておきたい5項目
- 引き渡し日までの電気代と申込みの時期
家を買ったらまず使用開始の申込みを考える
家を買って住み始めるとき、電気を自分の契約にするには、主に「前の契約の名義を変える」か「自分で新しく使用開始を申し込む」かを考えることになります(一括受電のマンションは管理組合などに確認)。
ここで知っておきたいのは、名義変更をすると、前の契約者の支払いや権利・義務まで引き継ぐ会社があるという点です。
名義変更で支払いごと引き継ぐ会社がある
東京電力エナジーパートナーは、譲渡・継承などで名義変更をすると、請求中の支払いも名義変更後の人に引き継がれると案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
引き継ぎを希望しない場合は、いったん契約を終了して、新しい名義で新規に契約する(停止と開始を申し込む)よう案内しています(同)。
北海道電力も、名義変更をすると新しい名義の人が旧名義の人の電気に関する権利・義務をすべて引き継ぐとしています(出典:北海道電力公式サイト)。
中部電力ミライズは、旧契約名義人と新契約名義人で電気料金の支払いを分ける場合は、使用廃止と使用開始の手続きが必要としています(出典:中部電力ミライズ公式サイト)。
家を買う場面では、売主と買主は別の家計です。
東京電力エナジーパートナーと中部電力ミライズの案内に沿うなら、売主は停止を、買主は使用開始を申し込んで支払いを分ける形が基本になります。
会社ごとの名義変更の扱い
名義変更をどんな場面の手続きとして案内しているかは、会社ごとに書き方が違います。
たとえば東京電力エナジーパートナーが名義変更の例に挙げているのは改姓・改名、家族への譲渡、契約者の逝去による継承で、家の売買による所有者の交代は例に挙がっていません(同社の電気の使用契約の案内。太陽光発電の売電契約は除く)。
| 会社 | 名義変更の扱い | 受付の方法 |
|---|---|---|
| 東京電力エナジーパートナー | 例は改姓・改名、家族への譲渡、契約者の逝去による継承。請求中の支払いも引き継ぐ | 電話 |
| 北海道電力 | 相続などの場合。権利・義務をすべて引き継ぐ | 電話 |
| 中部電力ミライズ | 支払いを分けるなら使用廃止と使用開始が必要 | 電話のみ |
| 九州電力 | 使用実態が変わるものは契約を終了して新しい名義で契約 | 公式で確認 |
| 関西電力 | 従量電灯A・Bなどは「はぴeみる電」から手続きできない | はぴeみる電または問い合わせ |
九州電力は、結婚による改姓のように使用実態に変化のないものは今の契約のまま名義だけを変え、契約者の他界に伴う名義変更のように使用実態に変化のあるものは、今の契約を終了したうえで新しい名義で契約するとしています(出典:九州電力公式サイト)。
今回確認した案内では家の売買の場合にどちらの手続きになるかが明記されていなかったため、購入先のエリアの電力会社に、家を買って入居することを伝えて確認するのが確実です。
名義変更そのものの各社の窓口は、電気の名義変更のやり方の記事にまとめています。
購入形態別の手続きの早見表
同じ「家を買う」でも、引き渡しの前に誰の名義で電気の契約があるかによって、段取りが変わります。
公式情報で確かめられたことと、売買契約や管理会社で確かめることを分けて整理しました。
| 購入形態 | 引き渡し前の契約者 | 買主の手続き | 売主側でやること |
|---|---|---|---|
| 建売(完成済み) | 建築会社などの名義の場合がある(例:北海道電力) | 使用開始を事前に申し込む | 建築会社の契約を止めるかを建築会社に確認 |
| 中古戸建て(売主が住んでいた) | 売主 | 支払いを分けるなら使用開始 | 停止を申し込む(日付は電力会社に確認) |
| 中古戸建て(空き家だった) | 停止済みなら契約者なし | 使用開始を事前に申し込む | 停止済みかどうかを伝える |
| 中古マンション | 売主(一括受電の物件もある) | 一括受電かどうかを管理組合などに確認 | 停止の申込み(物件ごとに確認) |

電気の使用開始や名義の手続きを、まとめてサポートします。
送信後は担当者からお電話でご案内します
建売を買う場合は建築会社の契約から切り替わる
完成済みの建売住宅では、引き渡しまでのあいだ、建築会社などの名義で電気を使っていることがあります。
北海道電力の電気工事店向けの案内には、竣工調査後から使っている建築会社などの契約を、施主などの契約に変更するための廃止連絡を受け付ける窓口があります(出典:北海道電力公式サイト)。
東京電力エナジーパートナーにも、電気工事店向けに「建物引き渡しに伴う請求先変更」のFAQがあり、カスタマーセンターへの連絡を案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
どちらも電気工事店向けの案内です。
買主の側は、建築会社に引き渡し日に契約を止めるかどうかを確かめたうえで、自分の使用開始を申し込みます。
北海道電力の電気工事店向けの案内では、戸建て住宅は入居者本人から事前にインターネットまたは電話で申し込んでもらうよう伝えてほしいとしています(出典:北海道電力公式サイト)。
注文住宅のように工事の段階から電気の申込みが関わる場合の流れは、新築の電気の申込みの記事で解説しています。
中古戸建てを買う場合は前の住まい方で段取りが変わる
売主が住んでいた家
売主が引き渡しの直前まで住んでいた家では、電気の契約が売主側の名義で残っていることがあります。誰の名義か、停止済みかを売主や不動産会社に確かめましょう。
東京電力エナジーパートナーと中部電力ミライズの案内に沿うなら、支払いを分ける場合は売主が停止を、買主が使用開始を申し込む形になります。
停止日と開始日をどう合わせるか、その日の電気代をどう扱うかは、購入先のエリアの電力会社に確認しましょう。
東京電力エナジーパートナーでは、停止日の当日中は電気を使え、停止日の夜0時に電気が止まります(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
東京電力エナジーパートナーでは、引越しを伴わない使用開始も、引越し手続きページの「開始を申込む」から申し込みます(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
売主が停止を申し込んだかどうかは、引き渡しの前に仲介の不動産会社を通して確かめておくと安心です。
空き家だった家
売りに出されているあいだ空き家だった家は、電気がすでに止まっていることがあります。
北海道電力は、電気の使用開始には事前の申込みが必要で、部屋の状況によっては事前の通電作業が必要なため、申込みがないと入居当日に電気が使えないことがあるとしています(出典:北海道電力公式サイト)。
入居日が決まったら、早めに使用開始を申し込みます。
当日に電気がつかないときは、まず分電盤のブレーカーを確認しましょう。
東京電力エナジーパートナーは、ブレーカーのスイッチが切れていると電気は使用できないと案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
使用開始の申込み全体の流れは、電気の使用開始の手続きの記事で確認できます。
引き渡し前にリフォームや内覧で電気を使う
入居の前にリフォームやハウスクリーニングで電気を使いたい場面もあります。
東京電力エナジーパートナーには、リフォーム・ハウスクリーニング・内覧などで短期間(一か月程度)電気を使う人向けの短期使用の申込みがあります(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
引き渡し前の工事で誰の名義の電気を使うかは、売主・仲介・リフォーム会社と事前に決めておきましょう。
中古マンションは一括受電かどうかを確かめる
中古マンションでは、建物全体でまとめて電気を買う契約になっていることがあります。
資源エネルギー庁は、管理組合などを通じてマンション全体で一括して電気の購入契約を結んでいる場合、その契約やマンション内の規約などで電力会社の切り替えが制限される場合があるとして、管理組合等に確認するよう案内しています(出典:資源エネルギー庁)。
中部電力ミライズも、同じ趣旨で管理組合等への確認を案内しています(出典:中部電力ミライズ公式サイト)。
一括受電の物件で住戸ごとの手続きをどこに申し込むかは、管理組合や管理会社に確かめてください。
一括受電かどうかの見分け方は、賃貸・マンションで電力会社を変えられるかの記事で解説しています。
購入前に確認しておきたい5項目
電気の設備や契約の条件は、引き渡しのあとに気づくと手間が増えます。
重要事項説明書や付帯設備表を見ながら、売主や仲介の不動産会社に次の5項目を確認しておきましょう。
東京電力エナジーパートナーでは、ブレーカー契約の場合、契約アンペアが大きくなると基本料金が高くなります(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。中部電力ミライズでは、今のブレーカー容量の照会や契約容量の変更を希望する場合は、インターネットでの申込みを受け付けていません(出典:中部電力ミライズ公式サイト)。受付窓口は公式で確かめ、家族の人数に合うかを申込みのときに相談します。
東京電力エナジーパートナーは、エコキュートや電気温水器がある場合は通電作業が必要な場合があるためカスタマーセンターへ連絡するよう案内し、通電作業の際に立会いを頼む場合があるとしています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
東京電力エナジーパートナーは、相続・売買による太陽光発電の契約名義の変更などには国への変更認定申請の手続きが必要で、申込みの際に変更認定通知の写しを提出するよう案内しています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。九州電力も、低圧で連系する太陽光発電設備などの売電について、契約名義の変更や入居による売電開始の場合は、事業計画認定の変更手続きも必要としています(出典:九州電力公式サイト)。手順は太陽光発電の名義変更の記事で解説しています。
中古マンションでは、管理組合などが建物全体で一括して電気を買っていないかを確かめます。一括受電なら、住戸ごとの申込先も管理組合や管理会社に確認します。
東京電力エナジーパートナーでは、スマートメーターで契約アンペアを設定している場合、アンペアブレーカーは取り付けません(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。そのため、同社の契約で分電盤にアンペアブレーカーが見当たらなくても、故障とは限りません。
引き渡し日までの電気代は誰が払う?
引き渡し日までの電気代を売主と買主のどちらが負担するかは、今回確認した電力会社の公式情報には書かれていませんでした。
北海道電力の電気工事店向けの案内(新設物件の廃止申込)では、申請受付日からさかのぼった日付での引渡精算には応じないとしています(出典:北海道電力公式サイト)。
あとから日付をさかのぼって切り替えられるとは限らないため、引き渡し日が決まった時点で、売主の停止と自分の開始の日付をどう合わせるかを電力会社に確かめて申し込むのが確実です。
売主とのあいだの精算は、売買契約や不動産会社・建築会社の案内で確認してください。
使用開始の申込みは引き渡し日が決まったら
申込みの受付期間は会社ごとに違うため、購入先のエリアの電力会社の公式で確かめましょう。
東京電力エナジーパートナーのWebでの使用開始・停止の申込みは、原則として当日から31日間までの日を受け付けています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
中部電力ミライズのインターネットでの申込みは、使用開始日が申込み日の翌々営業日以降の場合に利用できます(出典:中部電力ミライズ公式サイト)。
立会いについては、東京電力エナジーパートナーは原則不要としつつ、設備状況などにより必要になる場合があるとしています(出典:東京電力エナジーパートナー公式サイト)。
関西電力も、電気の使用開始には当社との立会いはなく、ブレーカーを入れれば使えるとしたうえで、契約メニューや供給設備の状況によって立会いを頼む場合があるとしています(出典:関西電力公式サイト)。
引き渡し日が決まったら、受付期間に入りしだい申し込んでおくと、入居日に慌てずに済みます。
家を買ったときの電気とあわせて読みたい記事
- 電気の名義変更のやり方(大手各社の窓口と引き継ぐもの)
- 新築の電気の申込みは電気工事店が代理で出す(注文住宅の段取り)
- 電気の使用開始の手続き(申込みの方法と必要な情報)
- 賃貸・マンションで電力会社を変えられるか(一括受電の見分け方)
- 太陽光発電の名義変更(売電の契約と国の手続き)
よくある質問
まとめ
家を買って住み始めるときの電気は、名義変更と使用開始のどちらで手続きするかで、引き継ぐものが変わります。
名義変更は請求中の支払いや権利・義務まで引き継ぐ会社があり、支払いを分けるなら停止と開始の手続きが必要と案内する会社もあります。
今回確認した電気の契約の案内では家の売買の扱いが明記されていなかったため、購入先のエリアの電力会社に確認しましょう。
建売なら建築会社の契約が止まるか、中古戸建てなら売主が停止を申し込むか、中古マンションなら一括受電かどうかを、引き渡しの前に確かめておきます。
契約アンペア・エコキュート・太陽光・一括受電・スマートメーターの5項目も、重要事項説明書や付帯設備表であわせて確認しておくと、入居日に慌てずに済みます。
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