面倒な食器洗いの手間をなくし、手洗いよりも少ない水量で洗えることから節水にも繋がる食洗機。海外では普及率90%を誇る食洗機ですが、日本でも徐々に普及率が上がって一般家庭に浸透しつつあります。海外製の食洗機で世界的なシェア率を誇るのが、ボッシュ(BOSCH)のビルトイン食洗機です。
この記事では、スタイリッシュなデザイン性から、SNSでも人気が高いボッシュの食洗機について、製品の種類や機能性、価格や選び方のポイントを解説します。
ボッシュとは?
ボッシュ(BOSCH)はヨーロッパでの家電売上においてトップの実績を持ちます。電動工具メーカーとして発展したボッシュは、1933年に家電市場へと進出し、白物家電からキッチン家電まで、豊富な販売実績を獲得してきました。
現在では、世界47カ国で使われている、世界的な家電メーカーです。その中でもボッシュの食洗機は、1964年に初めて販売されてから、世界ナンバーワンに輝く販売台数実績で、世界各国から愛されている歴史ある製品です。
海外での食洗機の普及率は90%以上。しかし日本では未だ低いのが現状で、据え置き型食洗機の普及によって上昇はしているものの、30%強に留まっています。そんな日本でも、2017年以降、ボッシュの食洗機を使うユーザーが増えてきています。
ボッシュの食洗機の特徴や機能
世界中で愛されているボッシュのビルトイン食器洗い機。世界ナンバーワンの実績には、高い機能性とメーカー独自の特長があります。まずは、ボッシュの食洗機の魅力を知ってもらうために、製品の特徴や機能性から詳しく解説していきましょう。
ビルトインタイプの食洗機を提供
ボッシュの食洗機はビルトインタイプです。大容量で一度にたくさんの食器を洗えるビルトインタイプはニーズとして高く、世界的なシェア率を誇るのには、ビルトインタイプに特化しているという点も挙げられます。
◆ビルトインタイプの食洗機の特徴は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
フロントオープン式で大容量
ボッシュの食洗機はフロントオープン式です。フロントオープン式とは、手前側にドアを開いて食器カゴを引き出すタイプで、海外ではこのフロントオープンが主流です。
日本国内では、引き出しのようにスライドしてドアを開けるスライドオープン式が主流ですが、フロントオープン式のほうが大容量で、さまざまな形状の食器類を収納しやすいというメリットがあります。
フロントオープン式の同クラス製品と比較しても、ボッシュの食洗機はトップレベルの収納力を持っているのも人気の理由です。
◆フロントオープン式のメリットは、こちらの記事でもご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
大物も丸ごと洗える
大容量のフロントオープン式が採用されたボッシュの食洗機は、大物の料理器具などが洗いやすい付属品も便利です。
「ベイキングトレイスプレーヘッド」は、フライパンや鍋などの大物を洗う際、上のバスケットを外して取り付けるアタッチメントです。肉の脂が付いた鉄板や魚焼きグリルもすっぽりと入り、手洗いで落とすのに苦労するしつこい汚れも、すっきりと洗浄できます。
豊富な温度別コース
ボッシュの食洗機は、温度別で洗浄できる洗浄コースが多彩です。温度別のコースを下記にまとめてみました。
パワフル70℃ | 汚れがひどい食器や調理器具向け |
エクスプレス65℃ | 1時間前後で洗浄(予洗いなし) |
オート45~65℃ | 汚れセンサーで水温・水量を自動調整 |
エコ50℃ | 節水・節電の省エネ洗浄 |
クイック45℃ | 軽い汚れの食器を短時間で洗浄(予洗い・乾燥なし) |
グラス40℃ | 高温に弱いプラ製食器やワイングラス向け |
予洗い(常温) | 常温すすぎによる予洗い(洗剤・リンスなし) |
豊富な温度設定と、汚れ具合に合わせて選べる細かいコース搭載に驚きますね。汚れのひどい食器は予洗いが面倒ですが、ボッシュの食洗機には予洗いコースが付いているので、そのまま食洗機に入れてボタンを押せば、予洗いもお任せできるのが魅力です。
「高速洗浄」オプションを使えば、各コースの運転時間を短縮することもできます。これらのコースに加えて、予約タイマーや自動での掃除機能などのオプションを組み合わせられます。
独自の乾燥方式
ヨーロッパは環境配慮への取り組み意識が高く、エネルギー消費削減にも注力しています。もちろん食洗機にも環境配慮がなされ、主流となる乾燥方式は、自然の仕組みを使った「余熱乾燥」です。
余熱乾燥では、高温でのすすぎ運転後にドアをオープンさせ、庫内の温度を放熱して水分を気化させていきます。海外と比較して湿度の高い日本では、ヒーターを使ってカラッと乾かす乾燥方式が好まれますが、環境意識の高いヨーロッパでは敬遠される傾向にあります。
ボッシュの食洗機には、独自の乾燥方式である「ゼオライト・ドライ」が採用されています。これは、乾燥剤のシリカゲルのように湿気を吸着する、自然鉱物のゼオライトの特徴を活かした乾燥方式です。
すすぎ後に蒸発した水分が庫内からゼオライトへ送られると、ゼオトライトは湿気を吸着して発熱します。この発熱した空気を庫内へ戻して、洗浄後の食器を乾燥させるという設計です。
ヒーターを使わなくても、ヒーター乾燥させたような仕上がりで、節電にも繋がります。吸着した湿気は次の洗浄時に放出されるので繰り返し利用でき、汚れやカビが付かない性質なので、半永久的に使える画期的な仕組みなのです。しっかり乾くか不安な方が多いと思いますが、日本の環境下でもきちんと乾き上がります。
高い静音性
ボッシュの食洗機は、高い静音性が魅力です。運転音は、図書館内と同じくらいだとされる騒音値の42dBで、就寝時に利用しても気にならない設計です。
リビングで映画やドラマを観ているときでも、大切なシーンを邪魔するようなことはなく、ゲストと楽しく話しているときでも会話を遮りません。
充実した安全機能
ボッシュの食洗機は、安全面に配慮した機能も充実しています。「チャイルドロック」は、小さなお子さまが誤ってドアを開けてしまい、怪我をするのを防いでくれます。
卓上型の食洗機と比べて、ビルトインタイプは子どもでも手が届きやすい低い位置に設計されているので、大切な我が子の安全を守るためには必須な機能と言えますね。
他にも、洗浄中にうっかりボタンに触って誤作動を防ぐ、ワンタッチでパネルボタンをロックできる「ボタンロック」や、万が一に使用中に漏水が発生したら、給水をストップする「アクアストップ」、運転中にドアを開けてしまった際に、オートで運転停止する「オートポーズ」などの安全機能で、安心して使えます。
スタイリッシュなデザイン
ボッシュの食洗機は、デザイン性の高さも魅力です。基本的にはドア面材を取り付けて設置するので、よりインテリア性が高い仕上がりです。
面材のタイプによっては、扉を閉めるとボタンが見えない設計なので、食洗機の存在感がありません。専用のドア面材は別売りで購入可能で、カラーは3パターンから選べます。
ボッシュの食洗機の種類と選び方
ボッシュのビルトイン食洗機について、機能や特長をご紹介してきました。世界的に愛されている理由をお分かりいただけたのではないでしょうか。続いては、実際にボッシュの食洗機を購入したいと検討している方向けに、食洗機の種類と選び方を解説していきます。
幅は45cmまたは60cm
ボッシュの食洗機は、幅45cmモデルと、幅60cmモデルの2種類から選択します。海外製のビルトイン食洗機は、日本のキッチンにはサイズオーバーで設置できない製品が多く、購入前のサイズ確認は必須です。
海外ではキッチンの天板高さが90cmを標準に作られていますが、日本では85㎝が標準の高さなので、サイズが合わずに設置できない事態になってしまうのです。
便利な機能性で大容量の食洗機を使いたくても、家のキッチンに対応していなければ意味がありませんよね。しかしボッシュの食洗機は、高さ85cmのキッチン天板に設置可能なので、日本のキッチンサイズにも対応できます。
ゼオライト乾燥方式または余熱乾燥方式
先述したように、ボッシュの乾燥方式は海外で主流の「余熱乾燥方式」に加えて、ゼオライトという自然鉱物の発熱性質を利用した仕組み「「ゼオライト・ドライ」が採用されています。
ゼオライト・ドライは特許取得の技術で、ボッシュの食洗機だけの独自機能です。ヒーターを使わなくてもヒーターのような熱で乾燥させられるので、湿度が高い日本でもさっぱりとした仕上がりで食器が乾きます。
ドア面材
ボッシュの食洗機は、ドア面材の設置が必須です。ドア面材とは、食洗機の前面に取り付けるパネルのことで、ドアの開閉をスムーズにする役割があります。食洗機本体と一緒に購入できる、専用ドア面材・巾木のセット販売もされています。
ボッシュの食洗機には、「ドア面材取り付けタイプ」と「フルドア面材取り付けタイプ」の2種類がありますが、どちらも機能面や洗浄コースに違いはありません。
ドア面材取り付けタイプは操作パネル・ディスプレイが前面に表示され、フルドア面材取付タイプは操作パネルが天面に、ディスプレイはLEDライトで床面に投影される仕組みです。よりおしゃれなデザイン性を求める方は、フルドア面材取り付けタイプの購入がおすすめです。
ボッシュの食洗機はどこで買える?
環境への配慮と節電・節水の高い省エネ性能、さらにはスタイリッシュなデザイン性も持ち合わせているボッシュの食洗機。購入時は、採用しているキッチンメーカーか、パートナーショップのBosch Appliance Partner Shop(BAPS)からオーダーできます。
全国にあるBosch Appliance Partner Shopでは、工事やリフォームについて専門スタッフと相談できる他にも、実際にボッシュの食洗機の実機を見学できます。購入前に実機で使い勝手や雰囲気を確認できるので、最寄りのパートナーショップに足を運んでみてくださいね。
ボッシュの食洗機の価格・予算
ボッシュは他社の海外製の食洗機の中では、買い求めやすい価格設定です。スタンダードモデルであれば19万8,000円、ゼオライトモデルシリーズは、幅60cmで34万円、幅45cmで27万円で購入可能です。
しかし、この本体価格にプラスして、ドア面材の扉材も購入が必要で、かつ工事費用も掛かります。店舗や製品ランクによっても価格は異なりますので、購入時に担当者へ費用帯をきちんと確認しておき、家庭の予算内で購入できるようにしましょう。
すでに他社メーカーのビルトイン食洗機を使っていて、買い替え設置を行いたい場合には、新規の設置工事よりも工事費用を安く抑えられます。
ボッシュの食洗機のメリット
海外主流のフロントオープン式が使えること以外にも、ボッシュの食洗機を使うことで得られるメリットがあります。ボッシュの食洗機購入で悩んでいる方の後押しができるよう、ボッシュ製品を使うメリットを3つ挙げてみました。
数少ないフロントオープン式
まずは、国内メーカーでの取り扱いが少ないフロントオープン式のビルトインを使えるという点です。フロントオープン式の取り扱いは国内メーカーではリンナイだけで、人気メーカーのパナソニックでも販売されていません。
フロントオープン式は大容量さが魅力で、大物の調理器具も余裕を持って洗えるので、料理やお菓子作りが趣味の方にはぜひおすすめしたい食洗機です。
安心の長期保証
ボッシュの食洗機は、メーカーによる無償保証が5年間付いています。以前は2年の保証期間でしたが、より長く安心して使えるように、保証期間が延長されました。
5年の間に食洗機の故障や不具合が起きても、無料で修理を受けられる安心のアフターサービスです。部品に関しても保有期間が10年と長期に及びます。
日本全国でメンテナンス対応が可能
安心の長期保証アフターサービスは、北海道から沖縄県の離島まで、日本全国のどのエリアでも修理対応を受けられます。メンテナンス対応に関しても同じく、日本全国どこにお住まいでも対応してもらえる充実したアフターサポートが魅力です。
保証期間外となってしまった修理についても、全国どこでも一律価格で対応してもらえるので、都心から離れた地域にお住まいでも安心ですね。
ボッシュの食洗機の注意点
ボッシュの食洗機は、国内での取り扱いが少ないフロントオープン式を使えるメリット以外にも、無料保証期間が5年と長く、日本全国で修理やメンテナンス対応を受けられる、安心のサポート体制が魅力です。最後に、ボッシュ製の食洗機の購入時に、注意しておきたい点をまとめました。
ドア面材の手配が必ず必要
ボッシュの食洗機には、事前のドア面材の手配が必須です。取り付け工事の際に、ドア面材も併せて設置しなければなりません。キッチンドアとドア面材を揃えたい場合には、事前に業者へ確認して手配しておきましょう。
最も手軽なのは、ボッシュで取り扱っている別売りの専用ドア面材を、食洗機本体と一緒に購入する方法です。オーダーメイドとは異なり、ドア面材の色やデザイン、サイズなどは固定されますが、価格を抑えて購入できます。
また、フルドア面材の取付タイプには、ハンドルの取り付けないと重すぎて開閉が難しいので、ハンドル取り付けも必須です。専用ドア材とセットで販売されているので、忘れずに注文しましょう。
初期の導入コストが高額
ボッシュの食洗機導入は、国産メーカーのビルトインタイプの導入よりも、やはりコストは高額になってしまいます。
しかし、5年もの長期無料保証が付いている点や、国産製品のように乾燥時にヒーター運転を行わない省エネ性能から、長期的に見れば国産メーカーとの差は同じ程度になるでしょう。毎日の使用で長く使い続ける家電だからこそ、ランニングコストが低く、環境にも配慮した安心できるボッシュの食洗機をおすすめします。
かごの位置が低いので使いにくい場合も
フロントオープン式の食洗機は、引き出して使うスライドオープン式よりも、低い位置に食器かごがあります。食器の出し入れには、腰をかがめなければならないので、腰痛持ちの方にはやや不向きかもしれません。また、妊娠中の女性にも使いにくい設計だと言えます。
しかしながら左右どちらの方向からも入れられたり、開口部分が広いため、比較的食器は入れやすいとも言えるでしょう。
ボッシュの食洗機の価格は高めだけどメリットもいっぱい!
この記事では、世界中で愛されているボッシュの食洗機について、製品の特徴や機能面、メリットを解説してきました。
- ボッシュの食洗機はビルトインのフロントオープン式で大容量
- 温度別の多彩なコースと独自の乾燥方式で節電効果が高い
- ドア面材を使ったおしゃれなデザインでインテリア性も高い
- 5年間の長期無料保証で、故障やトラブル時にも安心
2017年から日本でも普及率が高くなっているボッシュの食洗機は、導入価格は高くなってしまうものの、長期的な全体のコストとしては、国産メーカーと大きな差は生じないと考えられます。ヒーターを使わず、自然素材の性質を巧みに利用した独自の乾燥方式で、環境にもお財布にもやさしく使える食洗機です。
近年、サスティナブルな取り組みや環境への配慮意識が日本でも高まってきています。将来を見据えて、10年以上も使い続けられるボッシュの食洗機を購入してみてはいかがでしょうか。