車に乗っていると「エアコンが急にぬるくなった」「冷房や暖房が効かなくなった」ということもあるでしょう。
特に真夏や真冬などはエアコンが効かないと運転にも支障をきたしてしまいます。
車のエアコンが効かない原因は、エアコンシステムのさまざまな部分に潜んでいるのです。
ガス漏れ、コンプレッサーの故障、エバポレーターの目詰まりなど、原因によって症状や修理の難易度が異なります。
また、日頃のメンテナンス不足がトラブルの原因となっている場合もあります。
エアコンの効きが悪くなったと感じたら、できるだけ早めに専門家による点検を受けることが大切です。
放置すると問題がさらに悪化し、修理費用が高額になる可能性があります。
この記事では車のエアコンが効かない原因や応急処置の方法、修理費用の目安などについて詳しく解説します。
快適で安全なドライブのために、エアコンのコンディションには常に注意を払いましょう。
この記事でわかること
- 冷房が効かない原因は、エアコンガスの減少や漏れ、コンプレッサ・エパボレーターの故障・不具合が考えられる
- 暖房が聞かない原因は、サーモスタットの故障や、冷却水の不足が考えられる
- カーエアコンがなんらかの原因で故障を起こしている場合、自身で解消するのは難しいため、異常を感じたらすみやかに整備工場やディーラー等に相談することが重要
車のエアコンが急にぬるいのは故障?
![車のエアコンが急にぬるいのは故障?](https://classlab.co.jp/rirife/wp-content/uploads/2024/05/pixta_88368485_M-1.jpg)
![](http://classlab.co.jp/rirife/wp-content/uploads/2023/02/woman04.png)
車のエアコンがぬるくなったのは故障なのかな?
車のエアコンが急にぬるくなったり、冷たい風が出なくなったりした場合、故障の可能性があります。
カーエアコンは、長年の使用によって徐々に性能が低下していきます。
特に、電気系統のトラブルや部品の破損は、エアコンの冷却効果を大きく損なう原因です。
またガス漏れやホースの劣化なども、エアコンの性能低下につながる可能性があります。
カーエアコンの異変に気づいたら、できるだけ早めに業者に相談することが大切です。
放置すると問題がさらに悪化し、修理費用が高額になってしまう恐れがあります。
特に夏場にエアコンが使えなくなると熱中症などのリスクもあるため、異変を感じたらすぐに点検を受けましょう。
車の冷房が効かない原因
![車の冷房が効かない原因](https://classlab.co.jp/rirife/wp-content/uploads/2024/05/pixta_81079200_M-1.jpg)
車の冷房が効かなくなると、暑い日のドライブが苦痛になってしまいます。
特に長時間の運転では車内の温度が高くなり、運転者の集中力が低下する恐れがあります。
また、同乗者にとっても不快な環境となり、車酔いを引き起こすリスクも。
車の冷房が効かなくなる原因は、エアコンシステムのさまざまな部分に潜んでいます。
この章では、車の冷房が効かない原因について解説します。
エアコンガスが少なくなった・漏れた
エアコンガスは、冷媒ガスとも言われ、エアコンの冷却機能を担うものです。
エアコンガスが減少したり漏れたりすると、冷たい風が出なくなります。
エアコンガスは、冷房システムの心臓部であり、その役割を果たせないと冷房効果が著しく低下します。
ガスが減少する原因としてはガスの自然蒸発や漏れがあり、これを防ぐためには定期的なガスの補充と漏れているかどうかの点検が必要です。
ガスが漏れている場合、専門の修理業者に依頼して修理しましょう。
コンプレッサーの不具合
コンプレッサーは、エアコンシステムの中で非常に重要な部品です。
冷媒ガスを圧縮し、液体状態に変化させる役割を持っており、この部品が故障すると冷たい風が出なくなります。
また、エンジンから異音がする場合もあります。
コンプレッサーは壊れやすい部品の一つなので、異常を感じたら早めに点検を行いましょう。
自身ではなかなか故障や不具合を断定するのが難しいため、整備士など自動車のプロに見てもらうことが大切です。
エパボレーターの不具合
エパボレーターは、エアコンシステム内でブロアファンから送られる空気を冷やす重要な部分です。
この部品が故障すると冷房の効きが悪くなり、車内の快適さが大きく損なわれます。
エパボレーターが目詰まりを起こすと、空気の流れが阻害され冷却効果が低下します。
さらに、目詰まりがひどくなるとカビや細菌が繁殖しやすくなり、エアコンの吹き出し口から嫌な臭いが発生する原因にも。
エパボレーターの不具合を防ぐためには、定期的なメンテナンスと清掃が不可欠です。
不具合が疑われる場合は、専門の整備工場で点検を受けることをおすすめします。
エパボレーターの清掃や交換は専門的な作業が必要となるため、プロに任せるのが安心です。
点検の際にはエパボレーターの状態だけでなく、システム全体のチェックを行い、他の部分に異常がないかも確認してもらうと良いでしょう。
車の暖房が効かない原因
![車の暖房が効かない原因](https://classlab.co.jp/rirife/wp-content/uploads/2024/05/pixta_42652910_M.jpg)
冬の寒い日に車に乗り込んだら、暖房をつけても温かい空気が出てこない…。
こんな経験をしたことはありませんか?
寒い日に欠かせない車の暖房ですが、故障や不具合によって十分な性能を発揮できないことがあります。
車の暖房が効かない原因は、さまざまな箇所に存在する可能性があります。
この章では、車の暖房が効かない原因について詳しく解説します。
車の暖房に不安を感じている方、故障の兆候を見逃さないために必要な情報を知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
サーモスタットが故障している
サーモスタットの故障は、車の暖房が効かない原因の一つです。
サーモスタットはエンジンを最適な温度に保つための部品で、冷却水の流れを調整します。
車の暖房はエンジンの熱を利用していますが、サーモスタットが故障するとエンジンが冷えている時でも冷却水を循環させてしまい、暖房が効かなくなるのです。
サーモスタットの故障は専門業者に依頼して修理する必要があります。
早めに点検を受けて、大きな故障を防ぎましょう。
冷却水が不足している
冷却水の不足も車の暖房が効かない原因の一つです。
車の暖房システムは、エンジンの熱を利用して温風を作り出します。
冷却水が不足していると、この熱を効率的に利用できず、車内に送り込む風が冷たいままとなります。
冷却水の量を確認するには、リザーバータンクを定期的にチェックしましょう。少ない場合は補充が必要です。
その他エアコンが効かない原因
![その他エアコンが効かない原因](https://classlab.co.jp/rirife/wp-content/uploads/2024/05/pixta_72405994_M.jpg)
車のエアコンが効かない原因はさまざまですが、ここでは見落としがちな原因について説明します。
エアコンのトラブルは、故障だけでなく日常的な使用やメンテナンスの不足が原因で発生することが多いです。
比較的簡単に自分でチェックすることが可能なものもあるため、エアコンが効かないときはまず確認してみましょう。
エアコンのトラブルを未然に防ぐためにもこれらのポイントを理解し、日頃から定期的な点検とメンテナンスを心掛けることが大切です。
適切な対処を行うことで、エアコンの性能を最大限に発揮させ快適な車内環境を維持することができます。
エアコンの電源を入れていない
エアコンが効かない場合、まず最初に確認すべきはエアコンの電源が入っているかどうかです。
エアコンのスイッチは通常「A/C」と表示されており、これを押さなければエアコンが動作しません。
エアコンのスイッチを押していない場合、送風のみが行われるため、冷房や暖房が効かないと感じることがあります。
特に車内の操作パネルが複雑な場合や他の設定を優先している場合、うっかり電源を入れ忘れることがあるので注意が必要です。
エアコンが効かないと感じたら、まずはスイッチを確認しオンにすることを忘れないようにしましょう。
フィルターが詰まっている
エアコンのフィルターが詰まっていることも、エアコンが効かない原因の一つです。
エアコンフィルターは、車内に入る空気を清潔に保つためにホコリやゴミ、花粉などを取り除く役割を果たしています。
しかしフィルターが詰まってしまうと空気の流れが阻害され、エアコンの効果が低下します。
特にエアコンの風が弱く感じる場合、フィルターの詰まりが疑われます。
以下の手順でフィルターの状態を確認し、汚れていれば清掃または交換を行いましょう。
- フィルターの位置確認:フィルターは通常、助手席のグローブボックスの奥に設置されています。車種によって異なる場合もあるので、取扱説明書を確認しましょう。
- フィルターの取り外し:グローブボックスを取り外し、フィルターカバーを開けてフィルターを取り出します。
- フィルターの状態確認:フィルターが汚れている場合、ブラシやエアブローでほこりを取り除きます。ただし、汚れがひどい場合は新しいフィルターに交換しましょう。
操作パネルの故障
操作パネルの故障も、エアコンが効かない原因の一つです。
エアコンの操作パネルに何の表示も出ない場合や、特定のボタンだけが動作しない場合は、操作パネル自体に問題がある可能性があります。
以下のような症状が見られたら、操作パネルの故障を疑いましょう。
- 表示がない:操作パネルに何も表示されない場合、パネルのライトが切れている可能性があります。
- 一部のボタンが動作しない:特定のボタンだけが動作しない場合、ボタンの接点不良が考えられます。
- 全ボタンが動作しない:すべてのスイッチ類が動作しない場合は、ヒューズが飛んでいる可能性があります。
上記のような症状があるときは、専門業者に見てもらいましょう。
ファンやレジスターの故障
エアコンのファンやレジスターの故障も、エアコンが効かない原因となります。
エアコンの冷たい空気や温かい空気を車内に送り込むためには、ブロアファンと呼ばれる送風機が必要です。
ブロアファンを動かすモーターや、風量や温度を管理するレジスターに不具合があるとエアコンの効果が低下します。
ブロアファンモーターやブロアレジスターが故障している場合、交換が必要です。
定期的なメンテナンスと点検を行い、ファンやレジスターが正常に動作しているか確認しましょう。
車のエアコンがぬるいときの応急処置
![車のエアコンがぬるいときの応急処置](https://classlab.co.jp/rirife/wp-content/uploads/2024/05/pixta_87586050_M.jpg)
![](http://classlab.co.jp/rirife/wp-content/uploads/2023/02/woman04.png)
運転中にエアコンが壊れてしまったらどうすれば良いんだろう?
車のエアコンがぬるくなったとき、特に夏場や冬場では、快適なドライブが妨げられるだけでなく、安全性にも影響が出ます。
急にエアコンが効かなくなった場合でも、適切な応急処置を行うことで一時的にでも快適さを取り戻すことができるでしょう
ここでは、夏のクーラーが故障した場合と冬のヒーターが故障した場合の応急処置について詳しく説明します。
夏のクーラーが故障したら
夏場にクーラーが故障すると、車内の温度が急上昇し、命の危険もあります。
まずは、車内の温度を下げるために以下の応急処置を試してみましょう。
- 窓を開ける:走行中に窓を開けて風を取り込み、車内の空気を循環させます。効果的に風を取り込むには、運転席か助手席の窓を片側だけ10センチほど開け、対角にある後部席の窓を5センチほど開けると良いでしょう。こもった空気が排出されやすくなります。
- 日陰に退避:日陰に車を停めて車内の温度上昇を防ぎます。可能であれば、屋根のある駐車場に停めるとさらに効果的です。
- 保冷剤や氷の使用:近くのコンビニやドラッグストアで保冷剤や氷を購入し、首や脇の下を冷やします。また、十分な水分補給も重要です。
- エアコンガスの確認:エアコンガスが不足している場合も、冷却効果が低下します。エンジンルーム内のサイトグラスをチェックし、白い泡が勢いよく出ている場合は、エアコンガスが不足しています。
冬のヒーターが故障したら
冬場にヒーターが故障すると、車内が非常に寒くなります。
以下の応急処置を試して、一時的に寒さをしのぎましょう。
- シートヒーターの使用:カー用品店で購入できるシートヒーターを使用すると、座席を暖めることができます。シートヒーターは、電源をシガーソケットから取るタイプが一般的で、取り付けも簡単です。
- 使い捨てカイロの使用:近くにカー用品店がない場合は、コンビニやドラッグストアで使い捨てカイロを購入し、衣服の内側に貼って体を温めましょう。特に背中や腹部など、太い血管がある部分に貼ると効果的です。
- ブランケットを活用:ヒーターが効かない場合、毛布やブランケットを用意しておくと寒さをしのぐことができます。
- 早めの修理依頼:ヒーターの故障は安全運転に影響を及ぼす可能性があるため、できるだけ早くディーラーや自動車整備工場に修理を依頼しましょう。特に長距離を運転する予定がある場合は、事前に点検を受けておくことをおすすめします。
車のエアコンが不具合を起こした際はどうする?
![車のエアコンが不具合を起こした際はどうする?](https://classlab.co.jp/rirife/wp-content/uploads/2024/05/pixta_83165681_M.jpg)
車のエアコンが不具合を起こした場合、まずは専門の業者に相談することが重要です。
エアコンの不調にはさまざまな原因があり、それに応じた修理が必要です。
専門知識を持ったプロに依頼することで問題を的確に特定し、適切な修理を行うことができます。
以下に、各業者の特徴と修理費用の目安について詳しく説明します。
ディーラーや整備工場に相談
ディーラーは自動車メーカーと特約店契約を結んでおり、専門的な知識と技術を持っています。
特に新車保証期間内であれば、無料で修理を受けられることもあります。
しかし、修理費用は他の業者よりも高めです。また、電装系の修理は外注されることが多いです。
整備工場は、国から許可を得て自動車の点検や整備を行う民間の工場です。
技術やサービスには差がありますが、ベテランの整備士が在籍している工場であれば信頼できる修理が期待できます。
修理費用はディーラーよりも安く済む場合が多いです。
修理費用の目安
エアコンの修理費用は、原因や修理内容によって異なります。
以下に、主な修理内容とその費用の目安を表でまとめました。
修理内容 | 費用の目安 |
---|---|
エアコンガスの補充 | 4,000円前後 |
エアコンガスの漏れ修理 | 20,000~50,000円 |
コンプレッサーの交換 | 50,000円~100,000円 |
ファンモーターの交換 | 30,000円前後 |
サーモスタットの交換 | 10,000円前後 |
冷却水(クーラント)交換 | 5,000円程度 |
エアコンガスが不足している場合、ガスの補充だけで済みます。
しかしエアコンガスが漏れている場合はガスを補充するだけでは解決せず、漏れ箇所の修理が必要です。
修理にかかる時間は、修理箇所によって異なります。
エアコンガスや冷却水の補充程度であれば数時間で終了しますが、部品の交換が必要な場合は3日から1週間程度かかることがあります。
部品の在庫がない場合はさらに時間がかかることも。
車のエアコンが不調を感じたらまずは信頼できる業者に相談し、適切な修理を行いましょう。
車のエアコンがぬるいのは故障かも?プロに点検してもらおう
![車のエアコンがぬるいのは故障かも?プロに点検してもらおう](https://classlab.co.jp/rirife/wp-content/uploads/2024/05/pixta_97567669_M.jpg)
車のエアコンが効かなくなると、夏場は車内が高温になり冬場は寒さで体が冷えてしまいます。
エアコンの故障はドライブの快適性だけでなく、安全性にも影響を与えるため早期発見と適切な対処が不可欠です。
エアコンが効かない主な原因としては、エアコンガスの不足や漏れ、コンプレッサーやエバポレーターの不具合、サーモスタットの故障、冷却水の不足などが挙げられます。
また、エアコンの電源が入っていない、フィルターの目詰まり、操作パネルやファンの故障なども効きが悪くなる原因です。
エアコンが効かなくなった際は、窓を開けて車内の空気を循環させたり、日陰に停めて温度上昇を防いだりするなどの応急処置で、一時的に快適性を確保できます。
ただし、根本的な解決のためには専門家による点検と修理が必要不可欠です。
ディーラーや整備工場に修理を依頼する際は、修理内容によって費用が異なることを理解しておきましょう。