市場連動型プランは損?仕組み・2021年の高騰・固定への戻し方

本記事の情報は2026年8月時点のものです。市場価格やプランの内容・解約条件は変動・改定される場合があります。過去の市場価格の数値は当時の特定局面のものです。最新の内容は契約中の電力会社・小売電気事業者の公式サイトや契約前の書面でご確認ください。

「市場連動型プランは安いって聞いたけど、損しないの?」「入ってみたけど、やっぱり固定に戻したい」——市場連動型プランには、そんな不安がつきまといますよね。

この記事では、市場連動型プランの仕組み、なぜ「損」と言われるのか(2021年1月の高騰の教訓)、公式が求める高騰リスクの説明、そして固定単価プランへ戻す方法を、資源エネルギー庁・電力ガス取引監視等委員会の公式情報をもとに整理します。

📋 この記事でわかること
  • 市場連動型プランの仕組み(JEPXの市場価格に連動)
  • なぜ「損」と言われるのか(2021年1月の高騰の教訓)
  • 公式も高騰リスクの説明を求めていること
  • 自分に向いているかの判断軸
  • 固定単価プランへ戻す・切り替える方法

市場連動型プランとは?

市場連動型プランとは、料金単価が固定されたメニューとは異なり、日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場価格を参照して電気料金の単価を変動させるプランです。
資源エネルギー庁も「大手電力が提供する料金単価固定のメニューとは異なり、JEPXのスポット市場価格を参照して料金単価を変動させる料金メニュー」と説明しています(出典:資源エネルギー庁)。

JEPXのスポット市場は「翌日に受渡する電気の取引を行う市場」で、「一日を30分単位に区切った」商品を取引しています(出典:日本卸電力取引所)。
市場連動型は、このコマごとの市場価格にもとづいて翌日の電気料金単価を算定します。
市場価格が安いときは割安になりますが、高いときは料金も上がる、というのが基本の仕組みです。

なお、市場連動型は新電力の選び方の軸の一つでもあります。選び方全体は新しい電力会社の選び方の記事をご覧ください。

なぜ「損」と言われる?2021年1月の高騰

市場連動型が「損」と言われるのは、市場価格が記録的に高騰した局面があったからです。
資源エネルギー庁の検証によると、2020年12月下旬以降、寒さによる電力需要の増加などを受けてスポット市場価格が高騰し、2021年1月には「一時、最高価格は250円/kWh、平均価格は150円/kWhを超える水準まで価格が高騰」しました(出典:資源エネルギー庁)。

ふだんの水準と比べると、その差は歴然です。

時期 スポット市場価格
平常時(2020年度の年間平均) 11.8円/kWh
2021年1月の高騰時(日平均のピーク) 154.6円/kWh(1月13日)
2021年1月の高騰時(最高価格) 251.0円/kWh(1月15日)
出典:資源エネルギー庁「今冬の電力スポット市場価格高騰に係る検証について」。2020年12月〜2021年1月という過去の特定局面の数値です。

この高騰の要因について、電力・ガス取引監視等委員会は「旧一電等(JERAを含む)の売り入札の減少により売り切れ状態が継続して発生し、スパイラル的に買い入札価格が上昇したこと等」と分析しています(出典:資源エネルギー庁)。

あまりの高騰に、2021年1月15日には「インバランス料金の上限を200円/kWhとする措置」も発表されました。
このとき、市場連動型プランの契約者のなかには、電気料金が急激に高くなった人もいました。

これはあくまで過去の特定の局面の事例ですが、市場連動型には「こうした高騰局面では料金が大きく上がりうる」という性質があることを知っておくことが大切です。

公式も「高騰リスクの説明」を求めている

この高騰を受けて、国も市場連動型の説明のあり方に注文をつけています

資源エネルギー庁・電力ガス取引監視等委員会は、市場連動型について「メリットしか説明しないような誤解を招く説明は、『問題となる行為』である」とし、「過去の市場高騰例などを示して高騰リスクについてわかりやすく説明すること」や「需要家が翌日の電気料金単価を確認できる仕組みを導入すること」を「望ましい行為」として整理しています(出典:資源エネルギー庁)。

また電力の小売営業に関する指針でも「市場価格高騰時には、小売電気事業者等が需要家に対し、電気料金への影響について、より積極的な情報提供を行うことが望ましい」とされています(出典:電力・ガス取引監視等委員会)。

つまり、公式も市場連動型の高騰リスクを認め、事前の説明を求めているということです。
加入を検討するときは、メリットだけでなく、過去の高騰例や料金単価の確認方法まで説明されているかを確かめましょう。

「今のプランが市場連動型なのか分からない」「高騰が不安で見直したい」という方は、電気手続き受付センターにご相談ください。
お住まいのエリアやご希望に合わせた電気の契約・切り替えの手続きを、まとめてサポートします。

自分は向いている?損得の判断軸

市場連動型は、誰にとっても損というわけではありません。
大切なのは、電力の取引価格が変動するリスクを理解し、許容できるかです。

電力の小売営業に関する指針でも、市場連動型は「電力の取引価格の変動により…料金が変動するリスクを理解したことについて、需要家にチェックやサインを求めるなどの工夫をすることが望ましい」とされており、リスクを理解したうえで選ぶことが前提とされています(出典:電力・ガス取引監視等委員会)。

これを踏まえると、次のような判断軸で考えられます。

選択肢になり得る人 慎重に検討したい人
価格の動きを見て使い方を調整できる 価格変動のリスクを避けたい
価格変動のリスクを理解・許容できる 電気を使う時間を選びにくい
あくまで判断軸の目安です。最終的には契約前の書面でリスクをよく確認して選びましょう。

なお、市場連動型プランは、毎月の燃料費調整額とは別の仕組みです。
燃料費調整額については燃料費調整額とはの記事をご覧ください。

固定単価プランへ戻す・切り替えるには

「市場連動型はやめて、固定単価に戻したい」という場合は、次の2つの方法があります。

  • 今契約している電力会社の固定単価の別プランへ変更する
  • 他社の固定単価プランや、大手電力の規制料金(従量電灯)へ切り替える

切り替えのときに注意したいのが、解約にともなう違約金などです。
電力の小売営業に関する指針でも「切替え前の小売電気事業者との間の小売供給契約…の解除等が必要となり、また当該解除等に伴い違約金等が発生することがあり得る」とされています(出典:電力・ガス取引監視等委員会)。

違約金の有無や金額、切り替えにかかる日数は会社・プランによって異なるため、契約前に交付される書面で解約の条件を確認しておきましょう。
切り替えの具体的な手順は、電力会社の切り替え方法の記事で解説しています。

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よくある質問

市場連動型プランは損ですか?

一概に損とは言えません。市場価格が安いときは割安になりますが、2021年1月のように市場価格が高騰した局面では料金が大きく上がりました。価格変動のリスクを理解・許容でき、価格を見て使い方を調整できる人には選択肢になり得ますが、リスクを避けたい人は慎重に検討したほうがよいプランです。

2021年1月の高騰では電気代はどれくらい上がったのですか?

スポット市場価格が、平常時(2020年度の年間平均11.8円/kWh)に対して、2021年1月には最高で251.0円/kWh(1月15日)、日平均でも154.6円/kWh(1月13日)まで高騰しました。市場連動型プランの契約者はこの影響を受け、電気料金が急激に高くなった人もいました。これは過去の特定局面の事例です。

市場連動型から固定単価プランに戻せますか?

戻せます。今の会社の固定単価の別プランへ変更するか、他社の固定単価プランや大手電力の規制料金へ切り替えます。ただし、切替え前の契約の解除にともない違約金などが発生することがあるため、契約前に交付される書面で解約の条件を確認しておきましょう。金額や日数は会社・プランで異なります。

市場連動型と燃料費調整額は同じですか?

別の仕組みです。市場連動型はJEPXのスポット市場価格に料金単価を連動させるプランで、燃料費調整額は火力発電の燃料価格の変動を反映する毎月の調整分です。混同しないよう注意しましょう。

まとめ

市場連動型プランは、JEPXのスポット市場価格に電気料金単価を連動させるプランです。
市場価格が安いときは割安ですが、2021年1月には最高251.0円/kWh(平常時は年間平均11.8円/kWh)まで高騰した局面もあり、「損」と言われる背景になっています。

国も、メリットだけでなく高騰リスクの説明を求めています。
選ぶときは価格変動のリスクを理解・許容できるかを見極め、固定単価に戻したいときは違約金などの解約条件を契約前の書面で確認しましょう。
まずは今のプランが市場連動型かどうか、契約内容を確認することから始めてみてください。

プランの見直し・切り替えの相談なら

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