- 神奈川県内の主要市区の水道料金を安い順にランキング比較
- なぜ同じ神奈川県内で料金に最大約2倍の差が生まれるのか
- 秦野市の水道水が「おいしさ全国1位」に選ばれた理由
- 2024〜2026年に実施される神奈川県営水道の段階的値上げの内容
- 引越し前に水道料金を正確に確認する方法
神奈川県の水道事業は「県営」と「市独自」に分かれている
水道料金は住む市区町村の水道事業者によって決まります。神奈川県内の水道事業は大きく2種類に分かれており、これが同じ県内でも大きな料金差が生まれる根本的な理由です。
神奈川県が一括して水道を供給する事業。平塚市・鎌倉市・藤沢市・茅ヶ崎市・逗子市・厚木市・大和市・伊勢原市・海老名市・綾瀬市・相模原市(一部地域を除く)など、県内の広いエリアをカバーしています。2024年から段階的な料金改定が実施中です。
横浜市・川崎市・横須賀市・小田原市(一部地域を除く)・秦野市・南足柄市・座間市・三浦市などは、各市が独自に水道を供給。水源の確保から料金体系まで、それぞれの市が独立した事業として運営しています。
県営水道エリアは従来、料金が比較的安定していましたが、2024年10月から始まった値上げにより、状況が変わりつつあります。引越し先がどちらのエリアに属するかは、料金を確認するうえで重要なポイントです。
口径13mm・月間使用量20m3・水道料金のみ(下水道使用料は別途各市区町村で設定)・税込。下水道使用料を加えると実際の支払額はさらに高くなります。
神奈川県内 市区別水道料金ランキング【安い順】
以下は各市の公式料金表をもとにした神奈川県内主要市区の水道料金比較です。市区町村によって毎月請求・2か月ごと請求など検針のタイミングが異なりますが、ここでは「月20m3使用したときの月額」を基準に統一しています。
| 順位 | 市区町村 | 月20m3使用時の目安(税込) | 水道事業者 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 南足柄市 ※1 | 約1,950円(2025年7月改定後) | 市独自 |
| 2位 | 秦野市 | 約2,070円 | 市独自 |
| 3位 | 小田原市 | 約2,260円 | 市独自 |
| 4位 | 川崎市(全区共通) | 約2,320円 | 市独自 |
| 5位 | 座間市 | 約2,680円(2026年4月改定後) | 市独自 |
| — | 横須賀市 | 約2,750円 | 市独自 |
| — | 横浜市(全区共通) | 約3,010円 | 市独自 |
| — | 三浦市 | 約3,900円 | 市独自 |
最安エリア:秦野市・南足柄市の意外な強み
神奈川県内でもっとも水道料金が低い水準にあるのが南足柄市(月約1,950円・2025年7月改定後)と秦野市(月約2,070円)です。南足柄市は2か月ごとの検針・請求制を採用しており、2025年7月に平均約23%の値上げを実施した後も、県内の市でもっとも安い水準を保っています。単に「安い」というだけでなく、この2市には水道水の質という面でも注目すべき事実があります。
とくに秦野市は環境省「名水百選」選抜総選挙のおいしさ部門で全国第1位(出典:環境省 名水百選選抜総選挙 結果)を獲得した水道水を持つ都市として知られています。水源は丹沢山地に育まれた地下水。秦野盆地は神奈川県内で唯一の盆地地形であり、長年にわたって地下に蓄えられた豊富な地下水が「天然の水がめ」として機能しています。浄水処理も必要最小限にとどめ、地下水本来のおいしさを活かした水道水が供給されています。
川崎市:政令指定都市の中では安い水準
川崎市は横浜市・相模原市と並ぶ神奈川県内の政令指定都市ですが、水道料金は横浜市より低い水準です。市内全区(川崎区・幸区・中原区・高津区・宮前区・多摩区・麻生区)で同一料金が適用されており、川崎駅周辺の川崎区から内陸の麻生区まで料金差はありません。(出典:川崎市上下水道局 水道料金早見表)
横浜市:全18区で一律料金
横浜市は独自の水道事業を運営しており、市内18区すべてで一律の料金体系を採用しています。月20m3の使用で約3,010円(口径13mm・水道料金のみ・税込)が目安です。道志川や相模川などを水源として安定した水供給を実現しており、横浜市内での引越しであれば料金単価は変わりません。(出典:横浜市水道局 水道料金のしくみ)
三浦市:県内最高水準の理由は「半島の地理」
神奈川県内でもっとも水道料金が高い水準にある三浦市は、三浦半島の先端という地理的条件が料金に大きく影響しています。水源から遠く離れており、配水するための設備や管路の延伸・維持にコストがかかります。さらに比較的人口規模が小さいため、インフラ維持コストを分担する利用者数も限られます。最安の南足柄市と比べると、同じ使用量でも約2倍の差が生まれています。
同じ神奈川県内でなぜ2倍の差が生まれるのか?
水道料金は「水道法」のもとで各事業者が独自に設定するため、事業者の置かれた条件によって大きく変わります。主な要因は次の3点です。
良質な地下水や河川が近くにあり、浄水処理コストが低い地域は料金を抑えやすい傾向があります。秦野市のように地下水盆を持つ地域や、相模川・道志川などの安定した水源に近い地域は有利です。一方、水源から遠かったり水質処理に手間がかかる地域は、そのコストが料金に反映されます。
利用者が多いほど設備のコストを多くの人で分担できるため、1人あたりの負担が下がります。横浜市・川崎市のような大都市は管路や浄水場を大勢の利用者が支えるため単価を抑えられます。三浦市のように人口が比較的少ない市では、同じインフラを少ない人数で負担することになるため割高になります。
全国的に高度成長期に整備された水道管の老朽化が進んでおり、更新費用の確保が各事業者共通の課題です。神奈川県営水道が2024年から段階的値上げを実施しているのも、この老朽化対策費用が主な理由です。各事業者の施設状況と財政計画の違いが、料金差に表れています。
2024〜2026年の神奈川県営水道値上げ:何がどう変わる?
神奈川県営水道は、老朽化施設の更新・耐震化の費用増加と、人口減少にともなう料金収入の減少を理由に、2024年から2026年にかけて3段階で料金を改定しています。これは県営水道エリアに住む方に直接影響する変更です。
| 改定時期 | 値上げ率(平均) | 主な対象エリア |
|---|---|---|
| 2024年10月〜 | 平均約16%UP | 平塚・藤沢・茅ヶ崎・厚木・大和・海老名ほか |
| 2025年10月〜 | 平均約19%UP | 同上 |
| 2026年10月〜 | 平均約22%UP | 同上 |
値上げ率は使用量やメーター口径によって異なります。「平均」であるため、使用量が少ないほど値上げ幅の影響が相対的に大きくなる場合があります。(出典:神奈川県営水道 料金改定のお知らせ)
この値上げが完了する2026年10月以降、県営水道エリアの料金は改定前より2割以上高くなる見通しです。従来「県営水道エリアは比較的安い」とされてきましたが、改定後は横浜市と同程度かそれ以上の水準となり、もはや「安い」とは言えなくなります。一方で、川崎市のように改定後の県営水道より明確に料金が低い市も残ります。
引越し前に確認しておきたい3つのポイント
① 使用するメーターの口径を確認する
水道料金はメーター口径によって基本料金が変わります。一般的な家庭(アパート・一戸建て)では13mm〜20mmが多く使われています。口径が大きいほど基本料金は高くなるため、引越し先でどの口径のメーターが使われているか管理会社や大家さんに確認しておきましょう。
② 下水道使用料は水道料金とは別に発生する
水道料金は「水を供給するコスト」、下水道使用料は「使った水を排水・処理するコスト」です。実際の月々の請求には両方が含まれており、合算すると水道料金単独より大幅に高くなります。下水道使用料は市区町村ごとに異なるため、引越し先の市区町村の窓口で確認することをおすすめします。
③ 繁忙期(3〜4月)は手続きが込み合う
引越しシーズンの3〜4月は水道の開栓・閉栓手続きが集中し、希望日に手続きができない場合があります。引越し予定日の2週間前を目安に手続きを済ませておくと安心して進められます。とくに月末・月初の希望日は早めに申し込みを行いましょう。
よくある質問
まとめ
神奈川県の水道料金は、住む市が「県営水道」エリアか各市の「独自水道」かで決まります。最安は南足柄市の月約1,950円、最高は三浦市の月約3,900円と、同じ県内でも約2倍の差があります。
県営水道エリアでは2024〜2026年に3段階の値上げが進み、最終改定後は改定前より約22%高くなる見込みです。引越し前にはメーター口径と下水道使用料を確認し、早めに手続きを申し込むことで、想定外の負担増を避けられます。
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