- 岐阜県の主要12市の水道料金ランキング(口径13mm・月20m3・税込・上水道のみ)
- 最も安い市・最も高い市と、その料金差(約2倍)
- 同じ県内で約2倍もの差が生まれる理由(地下水を使う市は安く、受水に頼る市は高い)
- 多治見市・中津川市・関市など、値上げが進む東濃・中濃エリアの動き
- 一人暮らし(月8m3)の場合に順位が大きく変わる市
岐阜県へ引越す予定があるなら、毎月の生活費に直結する水道料金は事前に知っておきたいポイントです。水道は市ごとに事業者が異なり、同じ県内でも料金に差が出ます。岐阜県の場合、その差はとくに大きく、最も安い市と最も高い市では月の料金が約2倍にもなります。
この記事では、岐阜県の主要12市(岐阜市・大垣市・各務原市・多治見市・可児市・関市・高山市・中津川市・羽島市・美濃加茂市・瑞穂市・土岐市)の水道料金を、各市の公式料金表をもとに「口径13mm・1か月20m3使用・税込・上水道のみ」という同じ条件にそろえて比較しました。2か月ごとに請求される市は、2か月分の料金を半分にして1か月あたりに換算しています。
岐阜県の主要12市 水道料金ランキング【2026年6月時点】
まずは結論から、月20m3を使った場合の月額を安い順に並べたランキングです。あわせて、一人暮らしの目安となる月8m3の金額も掲載しました。岐阜県には全部で21の市がありますが、ここでは人口の多い主要12市を取り上げています。
| 順位 | 自治体 | 月20m3の目安(税込) | 月8m3の目安(税込) | 検針・請求 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 瑞穂市 | 1,925円 | 935円 | 2か月ごと |
| 2 | 大垣市 | 1,955円 | 770円 | 2か月ごと |
| 3 | 羽島市 | 1,991円 | 946円 | 2か月ごと |
| 4 | 関市 | 2,090円 | 970円 | 2か月ごと |
| 5 | 各務原市 | 2,431円 | 1,133円 | 2か月ごと |
| 6 | 高山市 | 2,618円 | 902円 | 毎月 |
| 7 | 岐阜市 | 2,860円 | 1,034円 | 2か月ごと |
| 8 | 可児市 | 3,498円 | 1,507円 | 毎月 |
| 9 | 中津川市 | 3,751円 | 2,226円 | 毎月(隔月検針) |
| 10 | 多治見市 | 3,801円 | 1,584円 | 毎月(隔月検針) |
| 11 | 美濃加茂市 | 3,850円 | 1,925円 | 毎月 |
| 12 | 土岐市 | 3,905円 | 1,870円 | 毎月 |
月20m3でいちばん安いのは瑞穂市の1,925円、いちばん高いのは土岐市の3,905円でした。今回比較した主要12市の中では、最も高い土岐市が最も安い瑞穂市の約2倍に達しており、料金差が大きいのが岐阜県の特徴です。月にすると約2,000円、年間では2万円以上の差になります。
全国平均(月20m3で3,274円・日本水道協会の水道統計)と比べると、安い7市(瑞穂・大垣・羽島・関・各務原・高山・岐阜)は全国平均を下回り、可児・中津川・多治見・美濃加茂・土岐の5市は全国平均を上回ります。同じ県内でも、全国的に見て安いグループと高いグループにくっきり分かれているのが岐阜県のおもしろい点です。次の章では、この差がなぜ生まれるのかを見ていきます。
なぜ同じ岐阜県でも約2倍の差が生まれるのか
水道料金は、その地域の水源の状況、給水する範囲の広さや人口、浄水場や水道管の更新にかかる費用など、さまざまな条件をもとに各市が独自に決めています。岐阜県でこれだけ大きな差が出る背景には、「水をどこから得ているか」という水源の違いが大きく関係しています。
安い市の共通点は「自前の地下水」
ランキング上位の安い市は、ほとんどが岐阜県南西部の濃尾平野に位置し、木曽川や長良川が地中で育んだ豊富な地下水を自前の井戸から汲み上げています。地下水は水質が良いため、浄水は基本的に塩素消毒だけで済み、ダムや川の水を大がかりな施設できれいにする場合よりコストが低く抑えられます。たとえば最安の瑞穂市は水源がすべて深井戸の地下水で、浄水方法は消毒のみです。各務原市も市の水道水源がすべて地下水でまかなわれています(出典:各務原市「水道水源について」)。
「水の都」として知られる大垣市も、市内に自噴する井戸があるほど良質で豊富な地下水に恵まれ、上水道もこの地下水を水源にしています(出典:大垣市「水道事業の概要」)。県庁所在地の岐阜市も、長良川の伏流水を中心とした地下水を水源としており、良質な地下水を汲み上げて消毒するだけで給水しています(出典:岐阜市「施設紹介(水道事業)」)。関市も「清流長良川がはぐくんだ豊富な地下水」を水源とすると公式に説明しています。
高い市の共通点は「よそから水を買う受水」
一方、ランキング下位の高い市は、岐阜県東部(東濃地域)を中心に、自前の水源が乏しく「岐阜県東部広域水道」などから水道用水を購入(受水)して給水しているのが共通点です。受水する水には仕入れのコストがかかるため、自前の地下水で給水できる市にくらべて料金が高くなりやすいのです。
たとえば最も高い土岐市は、市内に浄水場を持たず、岐阜県東部広域水道(旧・東濃用水)からすべての水道水を受水しています(出典:土岐市「水道事業の概要」)。多治見市も、長野県の牧尾ダムを水源とする岐阜県東部広域水道から水のすべてを受け入れています(出典:多治見市「水道事業の概要」)。可児市は飛騨川(岩屋ダム)や木曽川から、美濃加茂市は飛騨川の水(自己水源)と県の受水を組み合わせて給水しています。このように、東濃・中濃のダムや川から水を得る市は、浄水や受水のコストが料金に反映されやすい構造になっています。
なお、月20m3で6位の高山市は、飛騨地方で小八賀川などの川の水を浄水場できれいにして使っており、受水には頼っていません。ただし基本料金が低めに設定されているため、料金は中位にとどまっています。このように、料金の高い・安いはひとつの理由だけで決まるわけではなく、水源・料金体系・人口などが組み合わさって市ごとの差になっています。
値上げが進む岐阜県内の市(東濃・中濃を中心に)
岐阜県では、もともと料金が高めの東濃地域を中心に、ここ数年で水道料金を値上げする市が相次いでいます。引越し先としてこれらの市を検討している方は、ランキングの金額がすでに改定後の料金であること、そして今後さらに上がる予定がある市もあることを押さえておきましょう。
多治見市:2026年4月から一律20%の値上げ
多治見市は、2026年4月使用分(6月支払い分)から、基本料金・従量料金ともに一律20%の増額改定を実施しました(出典:多治見市「水道料金の改定について」)。ランキングの3,801円は、この値上げ後の現在の金額です。引越し時期によっては旧料金の案内を目にすることもありますが、現在は新料金が適用されています。
中津川市:3年かけて計30%引き上げの途中
中津川市は、2025年10月使用分から水道料金の段階的な引き上げを始めました。3年間にわたって毎年10%ずつ、合計でおよそ30%引き上げる計画で、ランキングの3,751円はその第1段階を反映した金額です(出典:中津川市「水道料金の改定について」)。この第1段階の料金は2026年12月請求分までの適用で、2027年1月請求分(2026年10月使用分)からは次の段階の引き上げが予定されているため、今後さらに料金が上がる見込みです。
関市・岐阜市:すでに改定済み
関市は2024年4月の検針分から、平均でおよそ22%(上下水道を合わせた平均改定率)の値上げを実施しました(出典:関市「上下水道使用料の改定について」)。県庁所在地の岐阜市も、2025年4月から水道料金を平均9.58%引き上げています(出典:岐阜市「令和7年4月からの水道料金改定のお知らせ」)。ランキングの金額は、いずれもこれらの改定を反映した現在の料金です。一方、大垣市・羽島市・各務原市・高山市・可児市・美濃加茂市・瑞穂市は、料金そのものの改定は直近2年では行われていません。
一人暮らし(月8m3)なら安いのはどの市?
水の使用量が少ない一人暮らしでは、ランキングの順位が大きく変わる点に注目です。月8m3で比べると、最も安いのは大垣市の770円、次いで高山市の902円でした。高山市は月20m3では6位(2,618円)ですが、一人暮らしの目安では12市で2番目に安くなります。
これは、高山市の基本料金が500円台と低めに設定されているためです。水道料金は「基本料金(使い始めの固定部分)」と「使った分だけかかる従量料金」で構成されます。基本料金が低い市や、基本料金に一定の水量が含まれている市では、使用量が少ないほどお得になりやすいのです。大垣市も、2か月で16m3(月8m3に相当)までが基本料金に含まれるため、一人暮らしの使用量なら基本料金だけで収まります。
逆に注意したいのが中津川市です。月20m3では9位ですが、月8m3では2,226円と、今回比較した12市の中で最も高くなります。基本料金が高めなことに加え、基本料金に無料で使える水量が含まれておらず、使った分だけ従量料金が加算されるためです。このように家族世帯か一人暮らしかで「お得な市」は入れ替わるので、自分の使用量に近い列で比べるのがおすすめです。日常的に水をよく使う家庭なら月20m3、単身であれば月8m3の列を目安にしてください。
引越し前に確認しておきたいこと
岐阜県の水道料金は市によって大きく異なり、値上げが進む市もあります。引越しを機に料金を確認するときは、次の点を押さえておくと安心です。
- 水道料金は使用量によって変わるため、自分の世帯の使用量(目安は単身で月8m3、家族で月20m3前後)で比べる
- 濃尾平野の市(瑞穂・大垣・羽島・各務原など)は地下水を使うため安く、東濃の市(土岐・多治見・中津川など)は受水のため高めという傾向がある
- 多治見市・中津川市・関市・岐阜市のように改定が進んでいる市は、現在の料金が値上げ後の金額である(中津川市は2027年にさらに上がる予定)
- 引越し時は、転居先・転居元それぞれの水道局へ、使用開始・中止の連絡を忘れずに行う
水道料金は地域の事情を映す身近な指標です。金額そのものだけでなく、水源や改定の動きもあわせて見ておくと、引越し後の生活費をより正確にイメージできます。引越し先の候補が複数あるなら、家賃や交通の便と同じように、水道をはじめとした毎月の固定費も見比べておくと、暮らし始めてからのギャップを小さくできます。とくに岐阜県は市による差が大きいので、候補の市の料金を早めに確認しておくと安心です。
最新料金の確認はこちら
本記事の料金は各市の公式料金表をもとにしています。実際の料金や最新の改定情報は、必ず各市の公式ページでご確認ください。
- 岐阜市 水道料金・料金表
- 大垣市 水道料金と計算例
- 各務原市 水道料金表
- 多治見市 水道料金
- 関市 水道料金の計算
- 可児市 上水道料金
- 高山市 水道料金について
- 中津川市 水道料金
- 羽島市 水道料金
- 美濃加茂市 水道料金
- 瑞穂市 水道料金について
- 土岐市 水道料金の計算方法
