パソコンを利用していると、「大画面のテレビをモニター代わりに使えないのか?」と疑問を持ったことはありませんか?
実は、テレビは接続端子さえあればパソコンのモニター代わりに利用することが可能です。
ただし、テレビモニターとパソコンのモニターには違いもあり、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。
そこでこの記事では、テレビをパソコンのモニター画面として利用する方法や、利用する際の注意点などについて解説。
省スペースの観点から普段は小さなパソコンモニターを利用している方も、動画配信サービスの利用時などは大画面で迫力ある映像を見たいと考えたことがあるのではないでしょうか。
テレビ画面をパソコンのモニターとして利用するメリットやデメリットも記載しているので、利用を検討している方はぜひチェックしてみてください。
ただし、コスパや応答速度などの機能的な観点から、必ずしもテレビモニターが全ての面においてパソコンのモニターより優れているわけではありません。
重要な両者の違いを押さえ、適切な使用方法で利用するということです。
本記事の内容を見れば、テレビとパソコンのモニターの違いが理解できるようになるはず。
「テレビがあるからパソコンのモニターは買わなくても大丈夫」と考えていた方は、両者の違いをチェックして検討するようにしましょう。
テレビをパソコンモニターの代わりにできる?
「テレビをパソコンモニターの代わりにできるのか?」という疑問をお持ちではないですか?
前述の通り、結論から言えば、テレビをパソコンのモニターとして利用することは可能です。
しかし、テレビ画面をパソコンのモニター代わりにするにあたって、押さえておくべきメリット・デメリットがあります。
本項での解説内容はまとめると下記の通りです。
- テレビはパソコンモニターの代わりに使える
- テレビをパソコンモニター代わりにするメリット
- テレビをパソコンモニター代わりにするデメリット
テレビをパソコンモニターとして利用するには、上記を理解しておくと購入後に後悔する可能性を軽減できるでしょう。
ひとつずつ詳しく解説していくので、これからパソコンのモニター代わりにテレビの購入を検討している場合はぜひチェックしてみてください。
テレビはパソコンモニターの代わりに使える
前述の通り、テレビはパソコン本体と接続することでモニター代わりに使用できます。
接続するにはHDMIケーブルなど、対応しているケーブルを繋ぐだけでOK。
一般的にはテレビ画面のサイズの方が、パソコンのモニター画面のサイズよりも大きい家庭が多いはず。
画面の大きさは作業領域の大きさなので、基本的には大きい方が画面の見やすさや作業のしやすさという観点で言えば有効です。
ただし、もちろん限度はあります。
例えば、細かいExcelの作業を100インチの巨大な画面のテレビモニターに接続すれば、かえってやりにくいと感じる人が多くなるはずです。
逆に、動画編集や画像作成などの作業においては、作業領域の大きさは作業の効率に直結する重要なポイント。
もし今のパソコンモニターにやりにくさを感じているのであれば、モニターサイズを変えるためにテレビと接続してみてはいかがでしょうか。
テレビ画面とパソコンが同じような大きさなら、どちらもパソコンに繋いでデュアルモニターとして利用するのもおすすめです。
デュアルモニターなら作業の生産性が40%以上上がると言われており、テレワーク全盛の昨今、仕事の効率を上げるうえでも役に立つでしょう。
詳しいやり方は次項で解説すので、まずはテレビはパソコンと接続してモニター代わりに利用できるという点を覚えておいてください。
テレビをパソコンモニター代わりにするメリット
テレビをパソコンモニター代わりにするメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 作業領域が増える
- ゲームや映像が迫力の大画面で楽しめる
- 省スペースで利用できる
まずは、前述の通り作業の領域が増えるという点が大きなメリットです。
40インチ以上の大きさなら、4画面分程度のブラウザや作業画面を一度に並べても視認性が落ちずに快適な作業ができるでしょう。
また、映像美が求められる動画配信サービスやゲーム画面も、テレビの大画面なら迫力満点の映像で楽しめます。
ただし、こちらは必ずしもメリットばかりではありません。
動作の遅延が起こる可能性があるので、デメリットの項でも解説します。
加えて、そもそもテレビをパソコンモニター代わりとして利用すれば、モニターを二つ用意しなくていい分、大画面のテレビだったとしても結果的には省スペース性に優れています。
特にデスクトップPCの場合、パソコンモニターを置くためのデスクなども購入する場合が多いはず。
1人暮らしでワンルームに住んでいる方などは、スペースを削減するためにもテレビをパソコンのモニター代わりに利用することを検討してみてください。
もちろん、デメリットも押さえておく必要があります。
このように、テレビ画面の大きさを活かせるのが、パソコンのモニター代わりに利用するメリットです。
テレビをパソコンモニター代わりにするデメリット
一方で、テレビをパソコンモニター代わりにするデメリットについても解説します。
主なデメリットは以下の通りです。
【デメリット】
- コスパが悪い
- 画面の反射・映り込みがある
- 動作の遅延が起こる
まず、基本的にはパソコンのモニターだけのためにテレビを購入するのはコスパが悪いと考えてください。
テレビは地上波番組を視聴するためにチューナーが搭載されていたり、最新のVODが見られるなどパソコンモニターに比べるとさまざまな機能が付帯しています。
同じ画面サイズなら、パソコンのモニターの方が安く購入できると考えたほうがよいでしょう。
もちろん、ある一定以上のサイズになるとモニターではなかなか見かけないサイズ感になってくるので、どうしても巨大な画面に接続したいという場合はテレビ画面を利用することになります。
加えて、テレビ画面は高精細で美麗な画面を演出するため、画面が反射するような素材である場合がほとんどです。
テレビの電源をOFFにすると、自身の顔や部屋の背景が映りこむのはそのためです。
一方で、パソコン画面で作業を行ううえでは、モニターへの映り込みは邪魔になります。
そのため、パソコンモニターは「非光沢(ノングレア)」の画面を売りにしている製品が少なくありません。
テレビ画面をモニター代わりとしてしっかりと作業を行うつもりであれば、画面反射に関しては留意しておく必要があるでしょう。
加えて、メリットの欄でも触れましたが、パソコンモニターと比べると、テレビ画面は操作に対して画面の動きが少し遅れて出力される、いわゆる「ラグ」が起こりやすくなります。
格闘ゲームやFPSゲームなど、ラグの大きさがゲームの快適なプレイに致命的な影響を及ぼすようなジャンルは、パソコンモニターを利用したほうが無難です。
ちなみに、テレビ側で「ゲーミングモード」などの設定ができる場合はこの限りではありません。
突き詰めていけばやはりパソコンモニタのほうがコスパが良いとなりますが、ゲームモードなどの機能が登載されているテレビは、こうした操作の遅延を緩和してくれるので、パソコンモニターと似たような感覚で利用できます。
購入時にはこうした機能が登載されているかどうかチェックしておきましょう。
テレビをパソコンモニター代わりに使う方法
テレビをパソコンモニター代わりに使う方法を解説します。
以下の2つのパターンで解説。
【テレビをパソコンモニター代わりに使う方法】
- HDMIケーブルでつなぐ
- パソコンとテレビの端子が一致しない場合
最近の多くのテレビの場合は、HDMIケーブルでの接続が一般的です。
ただし、赤白黄色のRGBケーブルを利用することもできなくはありません。
その場合は変換ケーブルが必要ですが、合わせて解説します。
基本的に接続するだけなので設定自体は簡単です。
一方でデメリットの項で解説した「ラグ」などの問題があるため、長時間快適に動作をさせるには「ゲーミングモード」や「低遅延モード」などのラグを解消する機能が登載されたテレビがおすすめです。
さほど長時間の使用でない場合や、コアなゲーマーではない場合は、そのままでも問題ありません。
まずは自宅にあるパソコンとテレビを接続して使い勝手を試してみましょう。
HDMIケーブルでつなぐ
テレビとパソコンを接続する方法としては、HDMIケーブルを利用するのが基本的なパターンです。
HDMIケーブルが無い場合は、Amazonや楽天などで1,000円程度で購入できるので用意しましょう。
繋ぎ方は、それぞれの接続端子にHDMIケーブルを繋ぐだけです。
特に設定をしなくても自動でパソコン側でモニターを認識してくれるはずなので、繋げばデスクトップが表示されます。
ただし、例えばデュアルディスプレイとして利用したい場合は、パソコン側で設定が必要。
デュアルで利用するための手順は下記の通りです。
【デュアルディスプレイで利用するための設定方法】
- パソコンとパソコンモニターを繋ぎ、さらにモニターからテレビにHDMIケーブルで接続
- デスクトップで右クリックし、「ディスプレイ設定」をクリック
- 「ディスプレイの選択と整理」欄において2台のディスプレイが表示されていることを確認
※されていない場合は「検出」をクリック - 「複数のディスプレイ」欄で、「表示画面を拡張する」を選択
※「表示画面を複製する」を選択すると、2つの画面で同じ内容が出力されます。 - 「識別」をクリックすると「1」「2」と画面に表示されるので、任意の場所にモニターを設置
以上でデュアルディスプレイとして利用できます。
この方法はテレビをパソコンモニターに使う場合でなく、パソコンモニターを2台並べる際も同様です。
パソコンとテレビの端子が一致しない場合
パソコンとテレビの接続端子が異なる場合は、各種変換ケーブルを利用して接続することになります。
例えば、古いパソコンであればHDMIケーブル用の端子が無い場合もあります。
そんな時は、VGAケーブルを接続できる変換ケーブルを利用しましょう。
利用方法は簡単で、変換ケーブルのHDMI端子をテレビに接続し、VGAの変換端子をパソコンとケーブルで接続するだけです。
他にも、USBケーブルで変換する方法などもあり、さまざまな変換ケーブルが販売されています。
まずは接続したいパソコンとテレビに、どんな接続端子が搭載されているかを確認してみてください。
テレビとパソコンモニターの違い
テレビとパソコンモニターの違いについて解説します。
両者の違いをまとめると以下のようになります。
【テレビとパソコンモニターの違い】
- テレビチューナーが内蔵されているか
- 応答速度
- スピーカーがついているか
- 画質の特長の違い
- 価格の違い
基本的に、テレビはテレビ単体で利用できるように設計されています。
パソコンの場合は、パソコン本体と合わせて使用し、加えて後から機能を追加したりできるので、画像や映像を出力する以外の機能はさほど充実していません。
両者の違いを押さえておくことが、テレビをパソコンのモニターとして利用する際にも重要なポイントです。
上記についてひとつずつ解説していくのでチェックしてみてください。
テレビチューナーが内蔵されているか
テレビは、当然テレビ番組を見る為の機器なので、地上波テレビなどに対応したチューナーが内蔵されています。
一般的に、テレビと自宅のアンテナ端子をケーブルで接続すればテレビが映るようになるはず。
これは、テレビの内部に番組を出力できるチューナーが入っているためです。
パソコンでテレビ番組を見ようとすると、別途チューナーを搭載する必要があります。
他にも、テレビには各種動画配信サービスが見れたり、AndroidOSが搭載されているようなモデルもあります。
そのため、テレビはパソコンとモニターが一体化したようなイメージの機器です。
応答速度
前述の通り、テレビ画面とパソコンモニターでは応答速度の違いがあります。
パソコンモニターの場合は、パソコンから送られた情報を瞬時に出力できるようモニター側でも調整されています。
簡単に言えば、マウスを動かしたときに画面内のポインタが同時に動くのは、応答速度に遅延が無いように設定されているためです。
テレビの場合はそもそもパソコンを繋ぐことを想定されていないので、パソコンの操作がテレビ画面に反映されるまでにわずかばかりのタイムラグが起こります。
どの程度のラグが発生するかは、操作の内容や重さによって異なりますが、気になる人は気になるポイントです。
特に、ラグによってプレイに影響が出るゲームの場合は、コアなゲーマーほど致命的な部分となります。
一方で、東芝のREGZAなど一部のテレビでは、この遅延を緩和する「ゲームモード」や「低遅延」モードが搭載されています。
主に家庭用ゲーム機の出力を想定しているので、パソコンを接続したときに思うような動きをするかどうかは微妙なところですが、こうしたモードが搭載されていれば比較的快適にプレイできるでしょう。
簡単な操作や短時間の作業であれば気になるレベルではないですが、本格的な仕事用やゲーム用として使うのは難しいかもしれません。
スピーカーがついているか
パソコンモニターにはスピーカーが内蔵されていない製品が珍しくありません。
ノートパソコンであれば多くの場合内蔵されていますが、デスクトップはスピーカーを後付けで購入する場合も多いです。
一方で、テレビは当然視聴の際に音声が出るので、スピーカーが内蔵されています。
そのため、パソコンをテレビ出力する場合は別途スピーカーを購入する必要が無いのが利点です。
もちろん、より臨場感のある音声のためにスピーカーを別で持っている方は、そちらを利用できます。
特に、動画サービスで映画などを見る際は、音質にこだわるとより臨場感ある映像を楽しめるので、購入を検討してみてはいかがでしょうか。
画質の特長の違い
パソコンモニターとテレビ画面では、画質などの見え方に違いがあります。
パソコンモニターの場合は、もともと細かい文字などを見えやすく調整されているので、特に何も設定しなくてもそのまま利用できます。
一方で、テレビ画面は地デジのハイビジョンな映像を色鮮やかに表現するために、色の見え方などを独自に調整しているのが特徴です。
そのため、見慣れたパソコンの画面をテレビに出力すると、画面の色合いなどが異なり見にくく感じることがあります。
昨今のテレビはこうしたパソコンの接続などが想定されていることもあり、「PCモード」や「モニターモード」といった画質調整がされているモードを搭載している場合も。
基本的にはパソコン画面はパソコンモニターで閲覧した方が違和感は少ないはず。
ただし、高画質の動画視聴などは、4Kテレビを通して観ることで美麗な映像として視聴できます。
価格の違い
価格に関しては、これまで解説したような機能面の違いから、同じサイズならパソコンよりもテレビの方が高くなる傾向にあります。
もちろん製品によって異なるため一概には言えませんが、単純にパソコンの大きな画面として利用する目的でテレビを購入するのはコスパが悪いです。
あくまで、「テレビとして利用する傍らでパソコンモニターとしても代用できる」くらいの認識でいたほうがよいでしょう。
ただし、パソコンのモニターで50インチを超えるような大画面となると、製品数がかなり絞られてきます。
テレビであれば85インチ程度の大きさの製品もざらにあるので、大きさの面では選択肢が多いのが特徴です。
50インチ以上になるとパソコンのモニターとして使うには、大きすぎて使いづらいかもしれませんが、購入する際は見比べてみるとよいでしょう。
パソコンモニターをテレビで代用する方法まとめ
この記事では、テレビ画面をパソコンモニターとして代用する方法と、メリット・デメリットなどについて解説しました。
本記事の内容をまとめると下記のようになります。
【まとめ】
- テレビとパソコン本体をHDMIケーブルなどで接続することで利用可能
- 動作の遅延や画面反射などのデメリットもある
- テレビとパソコンモニターにはチューナーやスピーカーの有無など他にもいくつかの違いがある
テレビ画面をパソコンモニターとして利用するには、それぞれの特性や違いを押さえておくとスムーズに利用できるはず。
テレビをモニター代わりにすれば、大画面で動画が見れたり、パソコンモニターを置くスペースが削減できるたりとメリットも大きくなります。
一方で、ゲームを大画面でプレイしたいと考えている方は、パソコンモニターよりも遅延が大きくなり、快適なプレイができない可能性がある点には注意が必要です。
ただし、テレビ自体に「低遅延モード」や「ゲームモード」などの遅延対策が搭載されている場合もあるので、こうした機能を利用すればパソコンモニター同様に利用しやすくなります。
また、テレビをパソコンのモニターとして代用するのは、以下のような用途がおすすめです。
【おすすめの用途】
- 動画配信サービスの視聴
- 短時間の作業
- その他大画面で見たい画像や映像などがある場合
パソコン画面の代用としてテレビ画面を利用するのは、どちらかと言えば短時間の利用や動画視聴などの用途が向いています。
仕事でしっかりと利用する場合やゲームで利用するのは注意が必要なので、それぞれのメリット・デメリットを押さえておくようにしましょう。
これからパソコンモニターとの兼用でテレビの購入を考えている場合は、ぜひ本記事の内容をチェックしたうえで購入を検討してみてください。