空気清浄機の適した置き場所は？エアコンとの併用やリビング等部屋別の置き方も

空気清浄機の適切な置き場所を知ることは、清浄効果を高めて効率よく室内の空気をきれいにするために有益です。せっかく空気清浄機を置くのであれば、より効果的な位置に置きたいと考えるはず。この記事では、リビングやダイニング、寝室、ワンルームといった部屋ごとに、最適な空気清浄機の設置場所をご紹介します。

他にも、エアコンの併用時の正しい置き方や、設置する高さについても詳しく解説。配置によって、エアコンとの相乗効果が期待できます。この記事で、空気清浄機を設置した際に能力を発揮する設置ポイントを学び、効率よく稼働させましょう。

空気清浄機を置く場所のポイント

空気清浄機を正しいところに配置すると、効率のいいエコな稼働につなげられます。それでは、どのような設置方法や置き場所が最適なのでしょうか。

ここからは、どんな場所に設置すればいいのかという最適な設置場所にあわせて、設置を控えたほうがいい場所についても解説していきます。

空気清浄機本体の周りを適度に空ける

空気清浄機の適切な配置位置として、本体の背面と部屋の壁、家具などとの間には30cmほどの隙間を保つことがポイントです。この隙間を作ることによって、吸い込み口と吹き出し口の経路が確保され、効果的な稼働が行なわれます。壁と一定距離を空けることで、集められたほこりが壁に付着して汚れてしまうのを防げます。

もし部屋の構造や設置場所、スペースなどによって壁際にしか設置できない場合でも、最低3cmの隙間を保つように心がけてください。また、高い位置に設置することで室内の空気の循環率が上がるような気がしますが、かえって循環が悪くなってしまいます。台の上や天井近くには設置しないよう心がけましょう。

そして本体上部は60cm以上のスペースを確保することが望ましいです。吹き出し口はカーテンなどで塞がないでください。

人の動きが多い場所に置く

室内のほこりは、人の動きによって舞い散ります。そのため、室内やオフィスなどに空気清浄機を設置するなら、人の動きが多い出入口付近や、往来の多い部屋の中心に置くのが効果的です。人が移動する際に舞い上がったほこりやごみを捕らえて、有害物質の飛散を防ぎます。

例えば、家族の出入りが多いリビング、オフィスであれば、人の集まりが多い広いフロアの中心位置に置きましょう。設置の際、吸い込み口や吹き出し口が家具や物などで塞がれないよう配慮をしてください。

外気の流入が激しい窓やドア付近を避ける

人の動きが多いところに空気清浄機を置くのは効果が高いですが、換気で窓を開ける頻度の高い場所や、ドア付近への設置は望ましくありません。設置場所によっては直射日光が本体に当たって変色が生じます。

花粉対策としての設置を考える場合には、窓からそこそこ離れた場所で、本体を窓の方向へと向けて置くのが望ましいです。これにより、室内に侵入する花粉を効率よく吸引して、空気をきれいに保ちます。清浄効果を維持するためにも、本体に長時間長日射しが当たらないよう直射日光を避けて、清浄効果を最大限に引き出せるようにしましょう。

使用目的によっては適した高さを意識する

ほこりや花粉といった大きな粒子を除去したい場合には、空気清浄機は床置きが適しています。空気中の粒子は床へと落ちるので、空気の流れによって有害な物質を捕らえられるからです。

反対に、タバコのニオイや煙などの空気中で上昇するものを重点的に浄化したい場合には、本体をやや高めの位置に配置すると効果が向上します。ニオイや煙を充填的に除去したいシーンでは、棚やカウンター、低めの足台やスツールの上に置くなど、目的に応じて設置する高さを調節してみてください。

空気清浄機の置き場所における注意点

空気清浄効果を存分に発揮させるには、適切な置き場所の選定が欠かせないことが分かりました。花粉やほこり、タバコのにおいや煙など、空気中に潜む除去したいものに応じてた設置場所を工夫して、アレルゲンの原因となるものを効率的に取り除くことが可能です。

続いては、空気清浄機の性能を発揮させる上で守っておきたい、設置上の注意点について解説していきます。以下で紹介する注意点を踏まえながら、空気清浄機を活躍させましょう。

直射日光や暖房機器の熱が当たる場所に置かない

直射日光や暖房機器の熱が当たる場所に設置すると、本体の変形や変色を起こす原因となってしまいます。同様に、暖房機器に近すぎる位置に置くのも誤作動を起こす可能性が考えられます。他の家電と併用して使う際には、相性や配置によっては逆効果になることを踏まえておいてください。

設置の際、直射日光の当たる窓際や、暖房機器の側などの場所は避けて、暖房器具からは一定の距離を保った場所に置きましょう。また、空気清浄機の吹き出し口から排出される風は、人やペットに直接当たらないように調整して置いてください。

テレビやラジオの近くに置かない

本体の近くにテレビやラジオなどが置かれていると、他の電化製品に影響を与えてしまい、映像や電波が乱れる可能性があります。他の家電製品への干渉を避けるためには、空気清浄機と家電製品の間に、最低でも1m以上の距離を確保してください。そしてテレビなどと同じ電源コンセントに空気清浄機の電源プラグを挿すのは避けましょう。

家電製品だけでなく、電波時計にも注意が必要です。空気清浄機を近くに設置していると時計が誤作動を起こして、正確な時刻を表示しなくなる可能性があります。製品仕様に従って適切な距離を保ちましょう。周囲の電子機器との調和を図りながら、部屋のレイアウトや電源の配置に工夫を凝らしつつ、適した置き場所を探してみてください。

高温多湿な場所に置かない

高温多湿な環境下に設置すると、フィルターにカビが繁殖する可能性があります。特に浴室など湿気の多い環境では湿度が高く、カビの発生が加速されるためフィルターに影響を受けやすいです。シンクの周辺なども水気が溜まりやすい場所です。

本体に多量の水がかかると、漏電による感電や火災のリスクがあります。高温多湿な場所は避け、比較的湿度が低いリビングや寝室などの水気が少ない空間への設置が理想です。清浄機のフィルターの寿命を延ばして、安全性を確保できます。

油や可燃性ガスを使用する部屋に置かない

空気清浄機は、油や可燃性のガスを使う部屋やその付近には、絶対に設置しないでください。油やガスによって空気清浄機のフィルターが汚れて、空気清浄の効果が著しく低下するだけでなく、万が一の火災の危険性も高まります。

特に、油を多く使用するキッチン付近や、ガス漏れの恐れがある場所の近くには設置しないでください。ガスや油が空気清浄機本体へ吸引されてしまうと、最悪の場合、吸引による発火や発煙、引火や火災の原因になってしまいます。

部屋別｜空気清浄機のおすすめの置き場所

空気清浄の効果を最大限に引き出すためには、適切な置き場所を選ぶことがポイントです。ここからは、空気清浄機のおすすめの置き場所を、各部屋別に詳しく解説していきましょう。

各部屋ごとに用途などを踏まえて最適な配置を考えることで、空気清浄機の効果が存分に発揮されます。あなたの生活に合った最適な配置方法を見つけてみましょう。

リビング・リビングダイニング

リビングやダイニングは、家族が集まって多くの時間を過ごす場所です。家族が快適に過ごすためにリビングやダイニングに空気清浄機を設置するなら、なるべく部屋の中心になるよう設置しましょう。

先述のように、空気清浄機の近くにテレビやラジオなどの家電製品があると、映像や音声の乱れが生じることがあるので離して設置します。また、周囲に家具や物などの障害物が多いと清浄効果が下がってしまうため、周囲にはなるべく物を置かないよう配慮してください。

もし中央位置への設置が難しく、壁や窓際に配置する場合は、カーテンなどで吸い込み口や吹き出し口を遮ぎらないようにします。

寝室

ほこりの正体は、服などから落ちた繊維や、人の皮膚やフケなどです。そのためタオルケットや毛布、シーツなどを置く寝室は、いちばんほこりが溜まりやすい場所だといえます。ほこりが溜まればダニも繁殖しやすくなるため、清潔な就寝環境を整えるためにも寝室に空気清浄機を置きましょう。

寝室の設置の際には、ベッドに寝たときの足元となる側へ空気清浄機を配置するといいでしょう。枕元に空気清浄機を配置すると、顔に風が直接当たったり運転音が気になったりして睡眠の質に影響します。ベッドの足元に置けば、睡眠への影響を最小限に抑えながら室内の空気をきれいにできます。

シーツの取り替えや布団類を上げたり下ろしたりした直後には、特にたくさんのほこりが宙を飛んでいるので、空気清浄機の運転モードを最大にして、すばやく空気中のほこりなどを集じんしましょう。

子ども部屋

子ども部屋に空気清浄機を設置する場合には、ドアや窓から離れた位置に設置すると、室内全体の空気を均等に浄化できます。小さな子どもがいる家庭ではおもちゃなどの物を使って床で遊ぶことが多いので、ハウスダストが床にたまりやすい傾向があります。そのため、床置きがほこりの集じんにはもっとも効果的です。

障害物が少ないほど空気清浄効果が最大限に発揮されるので、本体の周りには物を置かないようにしましょう。空気清浄機を正しく使って、子どもの健康を守りながら安心して遊べる空間を作り、成長環境をより良いものにしましょう。

玄関

外気の入り口となる玄関に配置すると、ドアの開閉時に外から入ってくる花粉などを防げます。特に、春や秋に花粉によるアレルギー症状でお悩みの人は、できるだけ玄関で花粉を食い止めたいですよね。

玄関では、空気清浄機をできるだけ壁から離して設置しましょう。設置スペースが限られている場合は、薄型や小型の空気清浄機を選ぶのがおすすめです。備え付けのシューズボックスなどの扉を開けておけば、中にこもりがちな靴のにおいを抑える効果も期待できます。

ワンルーム

ワンルームに設置する場合には、リビングやダイニングへの設置時と同様に、なるべく部屋の中央に配置することが望ましいです。そして、本体の周囲には適切な隙間を作って、他の家具や家電と近すぎないように配置しましょう。

ただし、コンパクトなワンルームの間取りで生活動線の邪魔になる場合には、壁際への設置も検討しなければなりません。テレビやラジオに干渉しないよう適度に離し、吹き出し口やにカーテンや物が邪魔しないように注意しながら、壁から適切な距離を空けて設置しましょう。

オフィスや店舗

オフィスや店舗といった公共の場に空気清浄機を配置する場合には、人が多くいるフロアの中央付近に入りすることが効果的です。壁際に置くと空気の流れが制限されてしまい、効果が制約される可能性があります。

オフィスビルでは機械換気が行なわれていることが一般的で、換気口付近に配置した場合にはきれいな空気がすぐに外部へと排出されてしまいます。フロア内での空気循環の流れを把握して、換気口などの位置を確認しておくことがポイントです。

オフィスの入口周辺に設置するとほこりが舞い上がりやすくなりますが、人出の多いオフィスの場合には、あえて出入口近くに空気清浄機を配置することで、花粉やアレルゲンの侵入を防ぐ効果が期待できます。設置の際には、吸い込み口や吹き出し口がデスクなどに遮られないようにしてください。

目的別｜空気清浄機のおすすめの置き場所

空気清浄機を導入する理由は、目的によってさまざまです。室内の空気品質を改善したい人やほこりを除去したい人、アレルゲン対策やペットやタバコなどの生活臭が気になるニオイ対策を目的とする人もいるでしょう。

続いては、こうした目的別に応じた空気清浄機のおすすめの置き場所を解説していきます。より効果的に空気を吸引して浄化するためにはどこに置くのがベストなのか、目的別の利用に焦点を当てて、それぞれの対策に最適な置き場所を提案していきます。

花粉・ウイルス対策

粒子の大きさが比較的大きい花粉は、室内では床に溜まりやすい性質があります。花粉への高い効果を発揮させたいのであれば、空気清浄機は必ず床置きにしましょう。また、玄関や部屋の出入り口に近い場所に配置することで、外部から侵入する花粉を取り除いて室内への侵入を減らせます。

また、窓を開けて換気を行なう際には、換気窓の正面の隅に置くと、花粉を捕集しやすいです。窓から侵入してくる花粉を効率的に排除してくれます。花粉だけでなく、ウイルスなどにも効果的です。アレルギー症状の緩和や風邪の予防対策として、気になるシーズンには最適な配置場所を意識して空気清浄機を稼働させましょう。

たばこやペットなどのニオイ対策

室内でペットを飼育している人や、喫煙者のいる家庭では、ペットのにおいやタバコの喫煙臭が気になります。におい対策においては、床置きよりも少しだけ高い位置に配置してください。台やスツールなどを使ってやや高くなるように設置するか、それが難しければ卓上タイプの空気清浄機の導入も検討してみてください。

卓上タイプは小型サイズながらもパワフルな製品が多く展開されているので、使用する部屋やスペースの対応畳数を満たしたものを探してみましょう。設置の際の注意点として、落下や転倒などの危険がないよう、安定した場所に置いてください。

併用機器別｜空気清浄機のおすすめの置き場所

空気清浄機を他の空調機器などと併用して使う場合、置き場所への配慮はどんな点を注意すればいいのでしょうか。併用機器ごとに最適な配置を考慮すれば、より効果的かつ快適な室内環境を手に入れられます。

ここからは、一般家庭において空気清浄機との併用頻度が高い機器について、併用時のおすすめの置き場所を解説していきましょう。部屋全体に均等な浄化効果をもたらすために、空気の循環を意識した配置場所を心がけてみてください。

エアコンと併用する場合

空気清浄機とエアコンの併用時には、空気の流れが調和するように配置を意識することが重要です。冬場の暖房時には、エアコンの吹き出し口のフラップを下側に向けて調整し、その向かいに空気清浄機がくるように配置します。そうすると空気清浄機の風とエアコンの風流とがぶつかることなく、清浄効果を妨げずに済むのです。

夏場の冷房時には、暖房の際と反対に、フラップを上向きになるよう調整して、エアコンの真下にあたる位置に設置します。部屋の中央に向けることで、スムーズな空気の流れを促進します。フラップと設置場所の一工夫で済み、簡単に調整できるので、冷暖房の併用時には両機器の空気の流れを意識して配置してみてください。

扇風機・サーキュレーターと併用する場合

扇風機やサーキュレーターなどの送風機器と併用して空気清浄機を配置する場合には、本体と反対の位置の壁に送風機器を近づけて、向かい合うように配置しましょう。

空気清浄機の上部から放出された空気は、天井を伝っていき反対の壁へと移動していきます。そして壁伝いに下降していくのですが、この過程で送風機器を反対側の壁の下に配置することによって、床に落ちた花粉やほこりを効果的に舞い上げて、空気清浄機の吸い込み口へと導きます。

部屋全体の空気が大きな円を描くように循環し、空気中の微粒子を均等に浄化していくイメージです。風の流れによって花粉やほこりすみやかに取り込まれ、空気清浄機のフィルターがその働きを十分に発揮できるようになります。

扇風機やサーキュレーターを適切に配置することで、ただ風を送るだけでなく、空気清浄機のパフォーマンスを大きく向上させるテクニックとなるので覚えておきましょう。

加湿器と併用する場合

空気清浄機に加湿機能が付加されていない場合、室内の加湿を行なうために加湿器と併用する状況も考えられます。両機器を効果的に稼働させるには、機器間に適切な距離を確保することが肝心です。

加湿器を空気清浄機に近づけすぎて配置してしまうと、加湿器から放出された水蒸気が空気清浄機に取り込まれて、内部フィルターでのカビ発生リスクが大幅に高まります。もし設置場所の都合上、加湿器との距離を確保しにくいのであれば、加湿機能が備わった空気清浄機を使うのが賢明です。

加湿器と空気清浄機を一体化させ、空気中の湿度を調整しながら同時に空気中の有害物質を浄化できて、一石二鳥です。

空気清浄機を正しい場所に置いて効果的に使用しよう！

この記事では、空気清浄機が高い効果を発揮する設置位置について、部屋別や目的別に詳しく解説してきました。

• 本体の周囲は30cm以上空間を確保しておく
• 壁際の設置時には最低でも3cmは隙間を空ける
• リビング、子ども部屋などでは床置きが推奨
• 玄関先の設置は、花粉やウイルスの侵入防止に効果的
• 高温多湿や直射日光が当たる場所、油やガスの側には置かない
• エアコンとの併用では、風向きと逆向きに配置する
• サーキュレーターなどと連携させれば、空気の循環を最大限に活かせる

近年、感染症対策などの観点から室内の空気品質を見直し、空気清浄機の導入に踏み切った人も多いのではないでしょうか。空気清浄機はただ置くだけでなく、空気の流れや循環、他の機器との併用による効果的な使い方を把握した上で、適した場所に設置するとさらなる効果を発揮します。

エアコンや扇風機、加湿器との連携においても、適切な位置に空気清浄機を配置することで、清浄効果を最大限に引き出せるのです。加湿器との併用や、加湿機能付きの清浄機を使えば、カビやダニの発生を抑えつつ、心地よい湿度を保って、さらに快適な室内環境を整えられます。

この記事で紹介したポイントを踏まえ、各機器との連携を考慮しながら、自分の生活スタイルに合わせた最適な配置を見つけてみましょう。

◆おすすめの空気清浄機は、以下の記事で詳しく紹介しています。