スマホ代金の節約に欠かせない格安SIM。電話機能を使う方は通話プランの確認も重要です。通話定額プランは、その範囲以内ならばお得に使えるので費用カットの面で魅力的です。全体の通信料を削減するためにも、自分の使用量に合った通話定額プランを見つけましょう。
しかし、格安SIMごとにバラエティに富んだ通話定額プランを展開しているため、自分に合ったプランを見つけるのは大変です。そこで今回は、通話定額プランのある格安SIMカードをご紹介します。選び方や通話専用アプリを使用しない格安SIMも合わせて解説するので、乗り換えのときの参考にしてください。
通話定額対応の格安SIMカード4つ
格安SIMでは、それぞれの会社で異なった独自のプランを展開しています。無制限で通話できる「楽天モバイル」、通話定額オプションが多い「mineo」、LINEユーザーにとってお得な「LINEMO」、通話料の安さが際立つ「HISモバイル」を取り上げました。
楽天モバイル
「Rakuten UN－LIMIT Ⅶ」のワンプランを展開中の楽天モバイル。通話専用アプリの「Rakuten Link」を利用すれば国内通話に限り通話料は無料です。ビジネスやプライベートで電話により連絡をするケースが多い方でも、通話料金を気にせず利用できるのがメリットです。電話の相手が３大キャリアでも固定電話でも料金は発生しません。
「Rakuten UN－LIMIT Ⅶ」ではデータ使用量が3GBまでは1,078円、20GBまでが2,178円、20GBをこえると3,278円で、通話料は基本料金月額に含まれている形です。ただし、通話専用アプリをうっかり使い忘れてしまうと30秒につき22円でカウントされます。
mineo
関西電力グループのオプテージによるmineoは、「フリータンク」や「ゆずるね。」などユニークなサービスを展開している会社です。基本の通話料は30秒につき22円ですが、通話専用アプリ「mineoでんわ」を利用すると30秒あたり10円になります。そのほかに3つの通話オプションサービスが用意されています。
通話専用アプリを使用せずに国内通話を楽しめる、10分以内の通話がかけ放題の「10分かけ放題」、時間を限定しない「時間無制限かけ放題」、最大10分の通話が110円になる「10分通話パック」です。「10分かけ放題」は10分を過ぎると通話料が30秒で11円となりますが、通常よりもお得です。また、「10分通話パック」では使わなかった分が次月へプラスされます。
| 通話オプション | 月々に加算される料金 | 向いている方 |
| 10分かけ放題 | 550円 | 1回の電話の時間が短い方 |
| 時間無制限かけ放題 | 1,210円 | 電話の使用時間が多い方 |
| 10分通話パック | 110円 | たまにしか電話を使わない方 |
LINEMO
LINEギガフリーやLINE MUSIC for SoftBankなどLINEユーザーにはうれしいサービスをしているのがLINEMOです。通話料は30秒あたり22円です。通話オプションは2つあり、1回につき5分以内の国内通話がプラス550円で無料になる通話準定額プランと、月額1,650円で国内通話が使い放題になる通話定額プランがあります。
プランは月額990円で3GBまで使えるミニプランと月額2,728円で20GBまで使えるスマホプランの2つです。これにオプションで通話準定額プランか通話定額プランを契約できるようになっています。
契約から1年後までは通話準定額プランの利用代金が無料に、通話定額プランの使用代金が1,100円になるお得なキャンペーンをしているため、今ならお得です。
| ミニプラン+通話準定額 | ミニプラン+通話定額プラン | スマホプラン+通話準定額 | スマホプラン+通話定額 | |
| 月額料金 | 1,540円 | 2,640円 | 3,278円 | 4,378円 |
| 月額料金（キャンペーン中） | 990円 | 2,090円 | 2,728円 | 3,828円 |
HISモバイル
旅行会社のエイチ・アイ・エスと日本通信株式会社により設立されているのがHISモバイルです。データ使用量によるプランは100MB以下から50GBまであり、低容量から大容量までをカバーしています。100MB以下なら290円と安く使えるのが魅力です。メールやLINEを少しだけやりとりする利用頻度が低い方、とにかく安く利用したい方、シニアでスマホを初めて使う方にも向いています。
通話料は30秒で9円と他社と比べても安く、5分間のかけ放題はプラス500円で、1,480円を足すと完全かけ放題になります。ドコモ回線を使っているので通信が安定しているのもメリットです。
| 音声通話（月額） | 音声通話+5分かけ放題（月額） | 音声通話＋完全かけ放題（月額） | |
| 1GB | 550円（100MB未満なら290円） | 1,050円（100MB未満なら790円） | 2,030円（100MB未満なら1,770円） |
| 3GB | 770円 | 1,270円 | 2,250円 |
| 7GB | 990円 | 1,490円 | 2,470円 |
通話定額対応の格安SIMの選び方
キャリア・格安SIMのどちらも基本的に通話料は30秒ごとに22円と高めです。通話定額のプランがあれば、これよりも通話料を安くできます。自分に合うプランを導きだせる、格安SIMの通話定額プランの選び方について解説します。
毎月の通話時間を把握
通話定額プランを探す前にしておきたいのが毎月の通話時間と回数の確認です。格安SIMの通話定額プランは、大まかに3つに分類できます。1回の通話時間に縛りのあるプランは、5分や10分などの範囲内ならかけ放題で、その時間をこえてしまうと通常の通話料で請求されます。
無制限プランは料金設定が高くなりがちです。1回の通話時間が設定されているプランは各社で時間が異なり、1カ月の通話時間に上限があるプランは安めの料金設定になっています。合わないプランを選ぶと無駄になるため、しっかりと分析しましょう。
| 通話定額プラン | 向いている方 |
| 時間と回数が無制限のプラン | 頻繁に電話を使い、時間も長くなりがちな方 |
| 1回の通話時間が設定されているプラン | 5分・10分など設定されている時間内で毎回の通話が終わる方 |
| 1カ月の通話時間が決まっているプラン | 1回の通話時間は異なるが、1カ月の使用時間は一定の方 |
アプリなしで通話できるか
格安SIMでは30秒につき22円も通話料がかかり、それをもっと安くするために通話専用アプリを採用している場合があります。通話専用アプリを利用するとお得に通話ができますが、品質が下がるケースも見られます。
通話専用アプリは安い回線を使い通常と品質があまり変わらないプレフィックス、データ回線を利用し品質に不安が残るIP電話の2つが一般的です。もともとプレフィックスは電話番号の前に各事業者の独自番号をつける必要がありますが、その手間を通話専用アプリが省きます。
通話定額のプランかオプションか
通話品質を保ったまま、費用をかけたくない方は使用されている通話アプリの種類も確認しましょう。また、通常の通話アプリが使用できる格安SIMを選ぶとストレスフリーで利用ができます。
格安SIMでは通話定額プランをオプションで用意しているケースが多いです。月額基本料金のほかに通話定額オプションの費用が加算され別途手続きが必要になります。このとき総額を確認しておくのがポイントです。安く通話ができても基本料金が高ければ節約効果は小さくなるためです。
また、通話定額プランが基本料金に組み込まれている格安SIMも存在します。改めて契約する手間もなく別に料金が発生しないのがメリットです。ただし、通話に必要性を感じなくなった際でも解約できないため、慎重にプランを選びましょう。
通話アプリが不要な格安SIM
ビジネスなどで取引先と電話をするときに、通話品質が悪いとイメージダウンにつながりかねません。いつでもスムーズに使いたい方のために、通常の電話機能がついた格安SIMをご紹介します。
日本通信
「合理的」を掲げて各プランを展開しているのが日本通信SIMです。データ容量が1GB・3GB・6GB・20GBのプランを用意。国内通話料は30秒につき11円で、専用通話アプリを使わずに高品質の会話が楽しめます。
1カ月につき70分までの無料通話が含まれる「みんなのプラン」「20GBプラン」、基本料金に追加料金なしでかけ放題になる「かけほプラン」などがあります。無料通話が含まれていない「シンプル290プラン」には、70分の無料通話ができるオプションか、かけ放題になるオプションがつけられるのがポイントです。
HISモバイル
格安な料金体系のHISモバイルも専用アプリを使用せずに通話ができます。手元にあるスマホに備わっている電話アプリによりかけられます。しかも、通話料は30秒ごとに9円と低価格です。
格安SIMを使う方の約8割のデータ使用量は7GB以内に収まりす。音声通話つきの7GBプランが1,000円以下で使え、5分のかけ放題オプションを合わせても1,490円とリーズナブルです。
J:COMモバイル
スマホに加えて固定電話や電気などの特定の契約すると、期間を限定せずに使用可能なデータ容量が増加する「データ盛」が目を引くJ:COMモバイル。たとえば、1GBなら5GBまで増量されます。
国内通話料は30秒で22円ですが、専用アプリを使用しないで通話できます。2つのオプションがあり、1回の通話が5分以内ならプラス550円でかけ放題になるプランと、1回につき60分以内の通話なら1,650円でかけ放題になるプランです。
「データ盛」と1回5分以内のかけ放題プランを合わせた場合は、もともとのデータ容量が1GBが5GBまで増量され、5分まではかけ放題になるのに料金は1,628円と、充実したサービスを受けられます。
通話定額対応の格安SIMカード
格安SIMを選ぶ際にはデータ容量ばかりに目が行きがちですが、自分に合った通話プランを選択しないと、利用に見合わない支払額になります。
- 1カ月の使用回数と利用時間が通話定額プランが合っているか
- 支払総額が高くなっていないか
- 30秒あたりの通話料は安くなっているか
などの観点から適当なプランを選択しましょう。設定された時間を超えて電話をした場合には、通常の通話料で計算されるため30秒あたりの利用料金も見落とせません。
また、通話専用アプリを利用すると通話代は安くなりますが、音質が低下する場合もあります。こういったデメリットを許容できるかどうかもポイントです。通常の通話アプリが利用できる格安SIMもあるので、選択肢に入れて検討してみましょう。
